根尾昂、藤原恭大に注目が集まる
1月も折り返し地点を迎え、プロ野球界では各地で新人選手たちの合同自主トレが始まっている。
初日には監督が視察に足を運ぶことも珍しくなく、練習開始前には訓示を述べることが定番だ。その言葉を聞いた新人選手たちは改めて背筋をピンと伸ばし、トレーニングに励むこととなる。
ここから1月下旬までは自主トレを行いながら、はじめての春季キャンプ、そしてオープン戦を経て、開幕一軍を目指していくこととなる。今年の新人では根尾昂(中日)や藤原恭大(ロッテ)、小園海斗(広島)、吉田輝星(日本ハム)といった昨夏の甲子園を沸かせた選手たちに注目が集まるだろう。
なかでも圧巻だったのが、日本ハムにドラフト1位で入団した吉田だった。昨夏の準優勝投手にして、“金農旋風”の立役者となった甲子園のヒーローをひと目見ようと初日から700人近くのファンが詰めかける大フィーバー。そのなかでも淡々と練習をこなしていた。その様子を視察した栗山英樹監督は、春季キャンプ中盤となる2月16日に予定されている紅白戦に吉田を登板させることを示唆。そこでの結果次第ではオープン戦での登板、そして開幕一軍も見えてくるはずだ。
広島のドラ1・小園は初日から「きつかった」と本音がちらりと見えたが、リタイアすることなく順調にメニューを消化している。緒方孝市監督は一軍キャンプの可能性もあると示唆しており、これからが正念場となりそうだ。
清宮も安田も村上も二軍スタート
しかし、高卒選手にとって“開幕一軍入り”は至難の業だ。それは昨年を振り返ってみてもよくわかる。
高校生野手では史上最多の7球団競合、注目度抜群だった清宮幸太郎(日本ハム)でも、開幕は二軍スタートだった。その原因は自主トレ中の負傷によるものだが、怪我をしないのもプロ野球選手としては大事なことだ。
また、高校時代から比較され続けていた安田尚憲(ロッテ)も、対外試合で4番を任されたりしていたが、結局のところ開幕一軍入りはならず。村上宗隆(ヤクルト)や西巻賢二(楽天)といった1年目から一軍出場を果たした選手たちも、開幕時は二軍からのスタートとなっている。
昨年は13人の新人が開幕一軍切符を掴んでいるが、そのなかに高卒組はひとりもいない。最年少は19歳の伊藤翔(西武)だった。伊藤は高校卒業後に四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスへ入団し、1年でNPB入りを果たした異色の存在だったが、オープン戦で7.2回を1失点の好投。実力で開幕一軍入りを掴み取った。
はたして、今年の高卒ルーキーたちは開幕一軍を掴み取ることができるだろうか。特に根尾や藤原は高校時代に3度の甲子園制覇というとてつもない実績を残してきているだけに、「過去の常識」は通用しないだろう。
高卒野手による開幕一軍だけでなく、スタメンを勝ち取るほどの活躍を見せてくれることに期待したい。