コラム

オリックスの“新世代”西浦颯大への期待感

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今後の活躍に期待がかかるオリックスの高卒2年目・西浦 [写真=中村実愛]

オリ熱コラム2019 第1回・西浦颯大


 西浦颯大。高卒1年目ながら昨季終盤に一軍デビューを果たした右投げ左打ちの外野手だ。

「僕の下の名前わかりますか?」

 「颯大」と書いて「ハヤト」と読むのだが、チームメイトですらなかなか覚えられないと19歳の青年は屈託のない笑顔で笑う。しかし、先輩たちからは可愛がられており、昨季終盤に一軍へ上がった際には、宗佑磨が寮から球場までの送迎をかって出た。


鷹のヒットメーカーを参考に



 西浦は、“名門”明徳義塾高校で甲子園に4度出場し、2017年のドラフト会議でオリックスに入団(6位指名)した。しかし、同年の12月に左第3中手骨基部の変形部切除手術と左足関節三角骨の摘出手術を行い、同期が新人合同自主トレで汗を流すなか、出遅れてしまう。

「高校時代から痛かったんですが、検査をしたらやっちゃってました。出遅れたことで正直、少し焦りはありましたね。早く実戦をやりたいという気持ちは強かったです」

 しかしリハビリは順調に進み、春季キャンプで存在感を示すとオープン戦にも1試合出場、いきなりヒットを記録した。シーズンが始まるとウエスタン・リーグで49試合に出場し、打率は2割に留まったものの、1本塁打、15打点、4盗塁、14四球という成績を残した。

「ファームでは米村理打撃コーチから、ソフトバンクの中村晃さんの真似をしてみろと言われて、そこからタイミングがうまくとれるようになりました。主に足を上げてから降ろすまでの間と、降ろしてから着地するまでの間を繰り返して見てましたね」

 ファームでは元気がいい高卒ルーキーとして、1年目からアピール。するとシーズンも終わりに差し掛かった頃に一軍から声がかかる。当時の福良淳一監督は、10月1日の楽天戦でいきなりスタメンで起用。西浦はプロ初スタメンにして、藤平尚真から初安打を記録し、自身が売りとしている盗塁も決めてみせた。

「打ち方が悪かったし、たまたまヒットになっただけ。上を目指すのならヒット1本くらいで喜んでたらダメ!盗塁は積極的にいこうと思って行った結果がセーフになったので良かったです。足は小さい頃から周りより速かったので、自信はあります。今年はもっと盗塁しますよ!」


キックボクシングで課題克服へ


 その強気な姿勢が魅力の1つ。プロに入って「変化球の違いは感じた」が、「一軍の球に対応していくには、慣れだと思う」と語る。そのためには、まず「試合に出ないとダメ」。フェニックスリーグ、秋季キャンプではアピール出来たが、台湾で行われたウィンターリーグでは「課題しかなかった。練習量が足りなかったのかもしれない」と反省。1年先輩の山崎颯一郎の誘いを受け、このオフには体幹を鍛えるため、格闘家の長島☆自演乙☆雄一郎が所属しているキックボクシングジムに週3回通っている。

 プロとして1年間やったことで課題がより明確となり、このオフは充実した時間を過ごせているようだ。

「走攻守すべて課題ばかりなんですけど、昨年はなかなかできない経験をさせてもらい、収穫の多いシーズンだった。最後に一軍に上がらせてもらって、いろんなチームの色んな人のバッティングを見れたことは大きかったです」

 そして迎える新シーズン、来季はレギュラー獲りを狙う西浦には明確に意識している先輩がいる。

「意識するのは宗佑磨!宗さんを内野手に戻すぐらいの勢いでレギュラーを獲りに行くので見ててください。目標は20盗塁!1試合でも多く一軍の試合で活躍します」

 あえて言葉にすることで自らにプレッシャーをかけていく強気な姿勢と、その向上心が西浦への期待感を膨らませる。オリックスの選手は総じておとなしいイメージがあったが、ここ数年は徐々にチームカラーも変わってきた。西浦にはその“急先鋒”として、とことん突っ走ってもらいたい。西浦が突き抜けたとき「ハヤト」という名前は自然と浸透しているはずだ。


取材・文=どら増田
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