オリ熱コラム2019 第4回・西村徳文監督
「何かファンと一緒に盛り上がれることは出来ないだろうか? こんなにたくさんのお客さんが来ているんだから」
オリックスの西村徳文監督は就任以降、チームとファンがどうやったらもっと一体感を作り上げられるのかを自問自答してきたという。ファンとの一体感という意味では12球団随一のロッテで監督を務めていただけに、「最終的にはああいう形にしたい」と、昨年の秋季キャンプでは自ら率先してサイン会を実施。帰る時間を遅らせてでも、一人でも多くのファンにサインをしている姿が印象的だった。
春季キャンプでもその姿勢は変わらず、練習がランチ前に終わった16日には、抽選で選ばれた100人を対象にしていたサイン会の人数を200人に倍増。翌17日には、ファンに「監督から差し入れです」とスタッフから、さつまいもが振る舞われるなど、ファンサービスに余念がない。
さらに18日には、キャンプ最終日にファンと合同で「手締め」を行う考えがあることも明かした。
「これはどこもやってないでしょ? 若月がマイクを持って『よぉ~』と音頭をとって一本締めをする。どうかな? 喜んでくれるかな?(笑) ちゃんと練習もして。25日は平日なんだけど、皆さんと一緒にシーズンを戦いたいという意味でもいいと思うんだよね」
宮崎まで足を運んでくれたファンや、地元の人たちと一緒に「盛り上げられること」は何かないかと、若月健矢選手会長と話し合った結果、キャンプの打ち上げではお馴染みとなっている「手締め」をスタンドに集まったファンと一緒にやろうということになったという。今シーズンは、今までのオリックスにはなかったファンサービスやスタンドと一体になるような企画が数多く出てくるかもしれない。
球団が2014年に「さらに、ひとつになろう。」というスローガンを掲げてから5年。ここまでは西村監督が率先してファンとの接点を増やそうとしており、そういった行動は新たなファンの獲得や増加にも繋がるはずだ。ちなみに今年のキャンプ来場者数は昨年より増加している。
もちろん「チームの勝利こそが最高のファンサービス」という考えに異論はないが、それ以外の部分で何を提供できるのかが重要ではないかと、私は思う。そう言った意味で、西村オリックスのファンサービスには、 今後の展開も含めて大いに期待したい。
取材・文=どら増田