地区6連覇中のドジャースだが…?

◆ 今季のナ・リーグ西地区は…?

 1週間前に日本で開幕戦が行われたメジャーリーグ。とはいえ、2019年シーズンの開幕を迎えたのはマリナーズとアスレチックスの2チームだけ。他のチームはと言うと、現地時間28日(日本時間29日)に一斉に2019年の初陣を迎える。

 今回はMLBの本土開幕を前に、いよいよ始まる新シーズンの見どころや注目ポイントを地区ごとに紹介。ここでは、ナ・リーグ西地区を取り上げる。まずは、シーズン展望の前に昨年の順位をおさらいしておこう。

▼ 2018・NL西地区順位表
1位 ドジャース(92勝71敗)
2位 ロッキーズ(91勝72敗)
3位 ダイヤモンドバックス(82勝80敗)
4位 ジャイアンツ(73勝89敗)
5位 パドレス(66勝96敗)

【ドジャース】

 昨季は最後までロッキーズと競り合った末、ワンゲームプレーオフを制して地区6連覇を達成した。オフにはマット・ケンプやヤシエル・プイグを放出した一方で、マニー・マチャドやブライス・ハーパーといった大物の獲得に失敗。補強は万全とは言えず、昨季以上に苦しいシーズンとなりそうだ。

 7連覇のためには、昨季26試合出場に終わった故障明けのコーリー・シーガーの復活は必須。FAで加入したA.J.ポラックあたりが全盛期の活躍を見せることができれば、得点力は維持できるだろう。投手陣はクレイトン・カーショーがカギとなる。開幕は故障者リストで迎えるが、いつどういう状態で戻ってくるのか、チームの浮沈はカーショー次第となりそうだ。

【ロッキーズ】

 昨季はワンゲームプレーオフでドジャースに敗れ、初の地区優勝を逃した。プレーオフではワイルドカードゲームを制したが、続く地区シリーズでブリュワーズに3連敗。チームの中心は新たに大型契約を結んだ三塁手のノーラン・アレナド。彼がラインナップに名を連ねる限り、ロッキーズ打線は相手投手に脅威となるだろう。

 投手陣はコロラド出身の左腕カイル・フリーランドがエースに成長。他の先発陣もポテンシャルは高い。抑えに経験豊富なウェード・デービスが控えているのもチームにとって大きい。ドジャースの7連覇を止める筆頭候補と言っていいだろう。

【ダイヤモンドバックス】

 2017年の93勝から、昨季は82勝と期待を裏切る結果に。特に9月は8勝19敗と大きく負け越し、今季に不安を残す形となった。オフにはチームの顔であるポール・ゴールドシュミットを放出しており、打線の核を失っている。

 投手陣はザック・グリンキーが健在。2008年から11年連続で2ケタ勝利を継続しており、今季は最低でも昨季と同じ15勝は挙げたいところ。先発陣は2番手以降に不安が残るだけに、平野佳寿など救援陣の奮闘が重要となるだろう。

【ジャイアンツ】

 2005~08年以来となる連続負け越しシーズンを味わった。名将ブルース・ボーチー監督が今季限りでの勇退を発表しており、最後の花道を飾りたいところだろう。しかし、昨季メジャーワースト2位の得点に終わった打撃陣は高齢化が進み、明るい兆しは見えてこない。人気選手バスター・ポージーも30歳を過ぎており、衰えは隠せない。

 投手陣も先発・救援ともにクエスチョンマークだらけだ。マディソン・バムガーナーがシーズンを通してかつてのような投球を見せなければ長く苦しいシーズンとなるだろう。

【パドレス】

 8年連続負け越し中のパドレス。昨季はその8年で最も勝利数が少なかった。しかし、オフにマニー・マチャドの争奪戦を制し、今季最も注目されるチームの一つとなった。他にもイアン・キンスラーを獲得するなど、積極的な補強が実を結ぶか。

 近年台所事情には苦しんでいるが、投手陣は若手の有望株が徐々にメジャーレベルに育ってきており、飛躍する可能性を秘めている。投手に有利なペトコ・パークを味方につければ、数年後には投手王国になる可能性も。

・まとめ

 昨季同様にドジャースとロッキーズが他を一歩リードするが、パドレスとダイヤモンドバックスも対抗する力は持っている。特にパドレスには、久々の優勝争いに期待したい。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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