出足はまずまずも10連敗で急降下
プロ野球も開幕から1カ月が過ぎ、5月の戦いがスタート。3・4月を終えてセ・リーグ最下位とつまずいたDeNAは、5月は連勝でスタートも甲子園に移って阪神に連敗。ここまで12勝19敗、5位と1.5ゲーム差の6位というところにいる。
昨季は惜しくも4位に敗れてクライマックスシリーズ出場を果たせず。雪辱に燃える2019年は開幕カードで中日相手に勝ち越すなど、ちょうど対戦がひと回りとなる5カード目終了(4月14日)時点では9勝6敗とまずまずのスタートを切ったかにみえた。
ところが、対戦がふた回り目に入った4月16日から4月28日までまさかの10連敗。一気に借金生活となり、あっと言う間に最下位まで転がり落ちてしまった。
屈指の強力打線に元気なく
苦戦の要因を探してみると、まず挙げられるのが“得点力不足”という問題。10連敗中の平均得点は「2.2」となっていて、すなわち投手陣が相手打線を2点以内に抑えなければ勝てなかったということになる。もちろん単純計算ではあるが、この数字では勝ち切るのは難しい。
それでも、10連敗中の試合の中身を見てみると、チームとしては70本の安打を放っており、四死球も27個もぎ取っている。1試合平均で9.7人の走者を出しているという計算になり、打線が完全に封じ込められているというわけではない。いわゆる「あと1本」が出ないという場面が非常に多かったとみることができる。
DeNAの打線と言えば、主砲の筒香嘉智を筆頭に、昨季の本塁打王であるネフタリ・ソトとチームの精神的支柱でもあるホセ・ロペスの両外国人、さらにかつての首位打者である宮崎敏郎といったところが並ぶ重量打線。その破壊力は誰もが認めるところであるが、今季ここまでのチーム打率.231はリーグワーストの成績となっていて、“ここぞ”の場面で一打が出ない状況に苦しんでいる。
指揮官「5月は3割以上打つ」
そんな重量打線のなかで、もっとも苦しんでいるのが宮崎敏郎である。
宮崎は2017年に打率.323で首位打者を獲得。昨季も打率.318と2年連続で3割をクリア。前年の活躍がフロックではなかったことを証明しただけでなく、本塁打も15本から28本へと大幅に増やしており、今季も同等以上の成績を期待されていた。
しかし、今季は開幕からなかなか調子が上がらず、ここまで31試合の出場で打率.188と絶不調。連敗中に限っては打率.150(40-6)、1本塁打で2打点と大ブレーキ。ポイントゲッターとしての役割を果たすことができなかった。
それでも、5月1日のヤクルト戦では実に11試合ぶりの適時打を含むマルチ安打をマーク。ロペスの申告敬遠の後に入った打席ということもあり、「絶対に打ってやろうと思った」と力強いコメント。その試合における勝利への執念はもちろん、連敗の責任を感じていたことも伝わってくる。
この日の2安打がキッカケとなったか、そこから3試合連続で安打を記録。4日の阪神戦では無安打に終わったものの、月が変わって復調の兆しを見せた。アレックス・ラミレス監督も「5月は3割以上打ってくれると思います」と語っているように、ここからの巻き返しに期待がかかる。
先に触れたとおり、順位こそ最下位となっているものの、首位・巨人との差は6.5ゲーム。絶望的なまでに引き離されたわけではない。シーズンはまだ100試合以上も残っており、Aクラス入りはもちろん、逆転優勝だって夢ではないのだ。
しかし、そのためには重量打線の復活が必要不可欠。復調の兆しを見せている宮崎をはじめ、打線を活気づけることができれば、チームも自然と上位へ近づいていくことだろう。指揮官が「5月は打つ」と予言している宮崎の打撃に注目したい。