コラム

「打てる捕手」ならぬ「走れる4番」鈴木誠也の稀有な魅力

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2019.06.02 13:30
広島東洋カープ 5 終了 7 阪神タイガース
マツダスタジアム

強肩・梅野隆太郎から2盗塁をマーク


 どの球団も欲しがるタイプのプレーヤーとしてスポーツメディアがたびたび取り上げるのが「打てる捕手」だが、リーグ4連覇に向けてセ・リーグ首位をひた走る広島には「走れる4番」がいる。24歳の若き主砲・鈴木誠也だ。

 6月1日の阪神戦では強肩で鳴らす捕手・梅野隆太郎(阪神)を相手にふたつの盗塁を決め、強力な打撃はもちろん、その「足」でも魅せた。

 この日の2回、四球で出塁した鈴木は、得点にこそつながらなかったものの見事二盗に成功。右前打で出塁した4回にはまたも二盗を試みて今度は梅野にリベンジを果たされるかたちとなったが、相手先発・岩田稔は何度となく牽制球を投じ、鈴木の足をかなり警戒していることがうかがえた。

 さらに、再び四球で出塁した7回にも果敢に盗塁を敢行。三塁走者の本塁突入を警戒した梅野が二塁送球を自重したこともあるが、きっちり二塁を陥れてチャンスを拡大。その後の西川龍馬、田中広輔の適時打を呼び込み、バットと足で7-2の快勝に大きく貢献した。


シーズン29盗塁ペース


 この日、盗塁を試みたのは鈴木ただひとり。もともと俊足ではあるものの、不動の4番打者ながら今季は例年以上に積極的に次の塁を狙う姿勢でもチームを牽引している。

 その姿勢は個人成績にも表れており、現在、鈴木はリーグ4位の11盗塁をマーク。過去、鈴木の自己最多盗塁は2016年、2017年に記録した16盗塁である。

 ここまで、あらゆる打撃指標においてキャリアハイのペースできている鈴木。打線が活気づくなどチーム状況の変化によっては鈴木ら中軸打者には、むやみに盗塁をさせなくなるということも考えられるが、盗塁の自己ベスト更新もほぼ間違いないと見ていいだろう。

 長打力に加えて足も使えるということは、やはり鈴木の大きな魅力だ。チームの方針にもよるが、たとえ走者のいない場面であっても鈴木がその打撃と足で得点圏に進み、好調の5番・西川が還すという得点シーンもたびたび見られそうだ。

 その姿を見るたびに体が大きくなっている印象を抱かせる鈴木。パワーアップはしてもスピードを失わない体づくりを心がけてもらい、希少な「走れる4番」としてファンを魅了し続けてほしいものだ。
※数字は6月2日終了時点


文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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