2019.06.12 18:00 | ||||
北海道日本ハムファイターズ | 2 | 終了 | 1 | 広島東洋カープ |
札幌ドーム |
史上19人目の快挙
昨年の甲子園を沸かせた、あの男が快挙を成し遂げた。
2019年6月12日に行われた日本ハムと広島の一戦で、日本ハムのドラフト1位ルーキー・吉田輝星が満を持して先発デビューを飾り、セ・リーグ首位の広島を相手に5回を投げて4安打1失点、4奪三振の好投を見せて、デビュー戦で初勝利をマークした。
高卒ルーキーが初先発で初勝利を記録したのは、2015年の安楽智大(楽天)以来となる4年ぶりのことで、ドラフト制導入後では史上19人目の快挙だ。
歴代の達成者を見てみると、200勝を達成した巨人V9時代のエース・堀内恒夫や、平成の怪物と称された松坂大輔など、そうそうたる面々が並ぶ。その一方で、故障に悩まされ、2年目以降は勝ち星を挙げられなかった矢野論(元日本ハム)のように苦い思いをした投手も存在する。近年のプロ入り初先発で勝ち星を挙げた高卒ルーキーたちは、その後どんな成績を収めていったのか――。
先輩たちのその後
高卒ルーキーがプロ入り初登板(先発)で初勝利を挙げた例は、今回の吉田輝を除くと2000年以降で6人。ここでは、彼らの初登板の内容と1年目の成績、そして通算成績を調べてみた(※球団名は当時のもので、成績は2019年6月13日現在)。
▼ ダルビッシュ有(東北高⇒日本ハム)
初登板:05年6月15日 対広島(8.0回 2失)
1年目: 14試合 5勝 5敗 防御率3.53
通 算:320試合152勝86敗1H 防御率2.68
※通算記録はNPBとMLBの合計
▼ 山口 俊(柳ヶ浦⇒横浜)
初登板:06年6月29日 対巨人(6回 1失)
1年目: 5試合 1勝 2敗 防御率6.43
通 算:412試合54勝56敗 112S 42H 防御率3.37
▼ 唐川侑己(成田⇒ロッテ)
初登板:08年4月26日 対ソフトバンク(7回0失)
1年目: 15試合 5勝 4敗 防御率4.85
通 算:228試合69勝69敗 15H 防御率3.74
▼ 中村 勝(春日部共栄⇒日本ハム)
初登板:10年8月11日 対ロッテ(5回1失)
1年目: 4試合 1勝 2敗 防御率5.50
通 算:59試合15勝16敗 防御率3.92
▼ 武田翔太(宮崎日大⇒ソフトバンク)
初登板:12年7月7日 対日本ハム(6回0失)
1年目: 11試合 8勝 1敗 防御率1.07
通 算:145試合55勝38敗 2S 4H 防御率3.25
▼ 安楽智大(済美⇒楽天)
初登板:15年10月5日 対ソフトバンク(6回0失)
1年目: 1試合1勝 0敗 防御率0.00
通 算:33試合5勝14敗 防御率4.12
沢村賞をはじめとした投手タイトルを獲得し、2013年にはメジャーリーグで奪三振王にも輝いたダルビッシュ有や、タイトルホルダーの山口俊など顔を揃えるが、中村勝や安楽智大などは、伸び悩みの感も見られる。要するに、まだまだスタートラインに立ったにすぎないということだろう。
ただし、1年目から複数勝利を挙げている投手を見ると、ダルビッシュや唐川、武田と、いずれもプロ入り後に50勝以上を挙げている。
金星の翌日に一軍登録を抹消された吉田輝だが、今後も一軍には帯同するとのこと。すべてが順調に進めば、交流戦最終日となる23日の中日戦で2度目の登板となる可能性もでてきた。ちなみに、高卒新人の2戦2勝は過去6人。史上7人目の快挙なるか、今後の登板にも注目していきたい。
文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)