「2番」として12試合連続ヒット!
7月28日、後半戦に入って怒涛の追い上げを見せているDeNAの連勝が7で止まった。その裏で「2番」筒香嘉智の連続試合安打も12でストップ。それだけ、筒香の働きがチームの勝利に大きく寄与していたと見ることもできる。
あらためて、2番に起用された7月15日の広島戦から7月28日の中日戦まで13試合における筒香の成績を振り返ってみる。
【後半戦における筒香の成績】
・打率.383(47打数18安打)
・1本塁打
・7打点
・11四球
・10得点
・出塁率.500
・長打率.553
そもそも、高い出塁率こそ、筒香が2番に起用された最大の理由だろう。今季の筒香の出塁率は、ここまで「.419」。鈴木誠也(広島)の「.435」に次ぐリーグ2位の記録である。そして、後半戦における筒香の出塁率は、ジャスト5割だ。7月15日の広島戦から7月27日の中日戦まで12試合連続で安打を記録した他、11四球を選び、中軸打者の前に出塁するという役割を完璧に果たしている。
中軸打者が機能
そして、ラミレス監督の思惑通りだろうと思われるのは、その高出塁率によってもたらされる高い「生還力」。この間の筒香は「1日1点」というようなかたちで、13試合中9試合で得点を記録し、計10得点。この13試合におけるDeNAの先頭打者は神里和毅、中井大介、乙坂智、大和による日替わりだったが、筒香の出塁を生かすソト、ロペス、宮﨑敏郎ら打線の中軸がきっちり機能していた印象だ。
筒香本来の魅力というと、やはり本塁打となるだろう。ただ、2番という役割を果たすため、長打を打つことではなく出塁に徹しているのか、2番に起用されてからは7月26日の中日戦で18号アーチを放つまで筒香のバットから本塁打が生まれることはなかった。7月の月間本塁打はここまでのところわずか2本である。
それでも、相手投手からすればやはり一発の怖さはある。プレーボールがかかったばかりの1回から、いきなり筒香と対戦しなければならないことに相手投手は大きなプレッシャーを感じるはず。ラミレス監督は「いずれ近いうちに筒香は4番に戻る」と明言してはいるものの、それこそメジャー流の「2番最強打者論」を地でいく「2番・筒香」からは、しばらく目が離せない。
※数字は7月28日終了時点
文=清家茂樹(せいけ・しげき)