コラム 2019.08.02. 13:31

暑さ本番!これからの時期に調子を上げる「夏男」たちに注目

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ヤクルト・山田哲人(C)Kyodo News

気温とともに調子も上向き


 長かった梅雨が明け、一気に夏らしい天気になってきた日本列島。こうして気温が上がって暑くなると、プレーする選手たちの負担も増えて調子を落とすことにつながりがちだが、逆に調子を上げてくるという選手もなかにはいる。

 今回は、そんな夏の時期に成績を上げてくる注目の「夏男」たちについて調べてみた。


▼ 山田哲人(ヤクルト)
・2018年
[7月成績] 率.425 本7 点18
[8月成績] 率.315 本6 点23

・2015年
[7月成績] 率.434 本10 点25
[8月成績] 率.310 本9 点22


 現役選手の中でも屈指の夏男といえるのが、ヤクルトの山田だ。初めてトリプルスリーを達成した2015年は気温が上がるに連れて調子を上げ、7月は月間打率が.434・本塁打10本と大暴れ。8月も月間打率.310・本塁打9本で、7~9月は3カ月連続で月間MVPに輝いた。

 2015~2018年における7月・8月の通算成績は656打数215安打、通算打率は.327。夏場にけがで苦しんだシーズンもあったが、それでも3割を超える成績を残している。今シーズンはやや苦しい戦いを強いられている感があるが、夏場での奮起を期待したい。


▼ 中村剛也(西武)
・2011年
[7月成績] 率.322 本8 点16
[8月成績] 率.202 本5 点19

・2008年
[7月成績] 率.250 本7 点18
[8月成績] 率.230 本11 点25


 7月19日の試合で通算400本塁打を達成した中村も、夏になると調子が一気に上向く夏男。初めて最多本塁打のタイトルを獲得した2008年は8月に11本塁打と圧巻の成績を残すと、8月以降だけで22本塁打を放った。

 その後も翌2009年は17本、2010年は11本、2011年は20本と、夏場以降にホームランを量産。打撃不振に陥った2018年も、8月は12本の本塁打を放って月間MVPを獲得。今シーズンも夏場の大爆発が期待される。


DeNAの中軸に注目


▼ ネフタリ・ソト(DeNA)
・2018年
[7月成績] 率.275 本11 点23
[8月成績] 率.365 本10 点22


 2018年シーズンに最もエキサイティングなバッティングを見せたのが、DeNAのソトだろう。昨季は5月6日に一軍初出場を果たし、この試合で初本塁打を記録。以降も要所要所で本塁打を放つも、7月4日時点では7本塁打とそこそこの成績だった。

 しかし、7月は9本、8月は11本と暑くなるに連れて調子を上げ、最終的に41本の本塁打を放って最多本塁打のタイトルを獲得。今年は4月から好調を維持しているが、8月に入ってからさらに活躍するか注目だ。


▼ 筒香嘉智(DeNA)
・2017年
[7月成績] 率.312 本5 点18
[8月成績] 率.315 本7 点23

・2016年
[7月成績] 率.429 本16 点31
[8月成績] 率.247 本5 点13


 DeNAではソトの夏男ぶりが目立つが、筒香も気温が上がるに連れて調子を上げる選手の一人だ。2016年は7月に打率.429を記録し、日本人最多タイとなる月間16本塁打を記録(最多記録はバレンティンの18本)。2017年にも8月に月間最多となる23打点を記録するなど、暑くなると調子を上げている。

 昨年も8月は95打数30安打で月間打率は.315と好調だった。今季は6月に調子を崩したが、2番起用も功を奏したのか7月に入って復調。暑くなる8月にさらに期待したいところだ。


“らしくない7月”を抜けて


▼ 銀次(楽天)
・2017年
[7月成績] 率.364 本1 点9
[8月成績] 率.237 本0 点8

・2016年
[7月成績] 率.361 本0 点8
[8月成績] 率.307 本1 点6


楽天打線を牽引する銀次も、夏場に目立った活躍を見せてきた夏男。2016年は7月・8月共に月間打率が3割超え。2017年は7月の月間打率が.364と夏男にふさわしい活躍を見せた(8月は故障のため低迷)。

 2018年シーズンも、7月は月間打率が3割を超えている。今シーズンは5月・6月が好調で月間打率もほぼ3割をキープ。例年とは異なる肌寒い7月でこの成績だから、本格的な夏到来の8月はより好成績を残すのではないかと期待も高まる。


▼ 糸井嘉男(阪神)
・2018年
[7月成績] 率.217 本2 点5
[8月成績] 率.387 本3 点15

・2017年
[7月成績] 率.308 本1 点2
[8月成績] 率.353 本4 点8


 今季、気温が上がるに連れて調子を上げているのが阪神の糸井だ。6月は月間打率.354と圧巻の成績で月間MVPに選ばれ、7月も月間打率.306と好調を維持。過去のシーズンも夏場は好調で、2018年の8月は月間打率.387、2017年も8月の月間打率が.353と夏場は圧巻の成績を残している。

 7月27日の巨人戦で死球を受け、翌日の試合を欠場したことで不安も広がったが、30日の中日戦からは戦列に復帰。8月1日の試合では3安打をマークするなど、不安を払しょくした。


 ほかにも、昨年の8月の成績だけで見た場合は、セ・リーグ記録となる月間47安打を達成し、月間打率が.465だった中日のダヤン・ビシエドや、ビシエドに続く打率.414だった広島の鈴木誠也も、夏場の活躍が期待できる選手だろう。

 これらの夏男たちが、本格的な夏の到来となる8月にどれほどの成績を残すのかに注目したい。


文=中田ボンベ@dcp
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