コラム

前人未踏の“4度目”達成のカギは…?山田哲人とトリプルスリー

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ヤクルト・山田哲人

史上最多3度の達成経験


 昨季の奮闘から一転、今季はセ・リーグ最下位と苦しんでいるヤクルト。高卒2年目の大砲・村上宗隆のブレイクなど、今後につながる新たな希望は生まれたものの、優勝戦線からは取り残されたかたちの苦しいシーズンとなっている。

 そんななか、個人の記録というところに目を移すと、やはり注目はチームの顔・山田哲人だろう。ここまで打率.281・30本塁打・69打点という成績を残し、主軸として今年も奮闘を見せている。


 そんな山田の代名詞とも言えるのが“トリプルスリー”。1シーズン中に打率3割・本塁打30本・30盗塁を記録すること、という説明ももはや必要のないほど山田にとっては当たり前のような目標になった。

 2015年・2016年と連続で達成して史上初のトリプルスリー・複数回達成者となると、昨季も打率.315・38本塁打・30盗塁で自身3度目のトリプルスリーを達成。プロ野球史でも10人しか達成者がいない偉業なのだが、近年は山田がさも当たり前のように達成していくため、我々にとっては珍しい記録ではなくなりつつある。

 “2度目の2年連続達成”へ、今季も一歩ずつ歩みを進めている燕の背番号1。なかでも「積み上げ系」の記録である本塁打と盗塁は今年も順調に伸ばしてきており、本塁打は14日のDeNA戦で30本に到達。盗塁もここまで失敗なしの25と30盗塁到達は目前。このままいけば2項目ともクリアはほぼ確実と言えるだろう。

 一方、気になるのは上下の変動がある打率だろう。現時点で.281という成績で3割は射程圏内とはいえ、残り30試合とちょっとで3割超えを目指すとなるとうかうかしてはいられない。4度目のトリプルスリー達成はなるのか、その可能性に迫ってみた。


残り2カ月間、月間打率3割オーバーは必要不可欠


 まずは、過去3回のトリプルスリーを達成した年と今季の夏場の成績を見ていく。

▼ 2015年
[7月31日まで] 率.332(373-124) 本24 点63 盗20
[8月月間成績] 率.310(100-31) 本9 点22 盗6
[9月以降の成績] 率.333(84-28) 本5 点15 盗8
[シーズン通算] 率.329(557-183) 本38 点100 盗34

▼ 2016年
[7月31日まで] 率.335(361-121) 本30 点75 盗25
[8月月間成績] 率.271(48-13) 本3 点13 盗4
[9月以降の成績] 率.167(72-12) 本5 点14 盗1
[シーズン通算] 率.304(481-146) 本38 点102 盗30

▼ 2018年
[7月31日まで] 率.314(328-103) 本24 点54 盗24
[8月月間成績] 率.315(92-29) 本6 点23 盗6
[9月以降の成績] 率.317(104-33) 本4 点12 盗3
[シーズン通算] 率.315(524-165) 本34 点89 盗33

▼ 2019年
[7月31日まで] 率.274(351-96) 本24 点56 盗23
[8月月間成績] 率.333(51-17) 本6 点13 盗2
[シーズン通算] 率.281(402-113) 本30 点69 盗25
※8月14日までの成績


 例年“夏男”の傾向がある山田だが、今季も8月は調子上向き。それでも、これまでのトリプルスリー達成年と比べると7月終了時点の打率が低かったため、今後の巻き返しは必至だ。

 仮に残り33試合で130打数程度に立つとすると、そのなかでシーズン160安打と言うところが目標のラインになってくる。残り試合で.360ほどの成績が必要となってくると考えると、これまで以上にペースを上げていく必要がある。


カギを握るのは対阪神・広島戦の成績?


 続いて、対戦チーム別の成績を見ていく。

▼ 2015年
対広島:率.423(97-41) 本4 点15 盗13
対巨人:率.219(96-21) 本4 点13 盗5
対DeNA:率.404(94-38) 本8 点19 盗7
対中日:率.300(100-30) 本10 点21 盗3
対阪神:率.314(102-32) 本7 点19 盗1

▼ 2016年
対広島:率.263(76-20) 本6 点15 盗4
対巨人:率.321(81-26) 本5 点15 盗2
対DeNA:率.234(94-22) 本6 点14 盗6
対中日:率.378(74-28) 本6 点20 盗6
対阪神:率.326(89-29) 本7 点17 盗8

▼ 2018年
対広島:率.308(91-28) 本5 点17 盗9
対巨人:率.350(100-35) 本5 点18 盗5
対DeNA:率.320(97-31) 本9 点17 盗5
対中日:率.372(94-35) 本9 点20 盗7
対阪神:率.287(87-25) 本5 点13 盗4

▼ 2019年
対広島:率.246(61-15) 本2 点9 盗3(残り8試合)
対巨人:率.329(73-24) 本6 点12 盗4(残り5試合)
対DeNA:率.293(75-22) 本5 点12 盗5(残り4試合)
対中日:率.317(63-20) 本6 点14 盗9(残り8試合)
対阪神:率.233(60-14) 本3 点8 盗1(残り8試合)


 山田が4度目のトリプルスリーを達成するうえで、カギを握りそうなのは広島と阪神戦だろう。

 いずれも対戦時は打率.250以下に抑えられているうえ、残り試合もともに8試合と多く残っている。例年Bクラスに沈んでいるチームからは好成績を収める傾向があるだけに、この2カードの対戦成績がカギを握るかもしれない。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)
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