3位・広島とのゲーム差は2.5!
9月に入り、セ・リーグの3位争いが熱を帯びてきた。そんななか、逆転でのクライマックス・シリーズ(以下、CS)進出へ向けてあとがない阪神が好調だ。
8月20日からの11試合で7勝4敗と3つの勝ち越し。3位・広島とのゲーム差も8月19日時点の「5」から「2.5」に縮まった。残り19試合で直接対決も4試合残っており、逆転も不可能ではないだろう。
しかし、ここ最近の阪神は暗い話題が多い。離脱中の糸井嘉男は新たに腱の損傷が見つかり、今季中の復帰が絶望的との報道。さらに右肩の故障から復帰を目指しているランディ・メッセンジャーも、9月3日の二軍戦で6回5失点。奪三振は0という内容で復帰に暗雲が立ち込めていて、さらには鳥谷敬の去就問題でも揺れている。
そのなかで元気なのが、ドラフト3位ルーキーの木浪聖也である。木浪は新人ながらオープン戦で結果を残し、開幕戦から「1番・遊撃」でスタメンを掴んだ。しかし、開幕カードで9打数1安打と結果を残すことができず、スタメンから降格となってしまう。
その後は8番に打順を下げられながら起用され、5月は打率.232(69-16)となんとか数字を残すと、6月は打率.333(54-18)とようやく調子を上げてきた。だが、7月は打率.088(34-3)と大ブレーキ。我慢の起用を続けていた矢野燿大監督も、ついに7月26日に二軍への降格を決断する。
8月は月間打率.431でリードオフマンに抜擢
ファームで再調整させた矢野監督の思惑通りなのか、8月の木浪は絶好調だ。
二軍から戻ってきた8月6日から数試合は途中出場が続いていたが、8月16日にスタメン起用されると、さっそく1安打をマーク。翌日は守備からの出場だったが、8月18日は2番に抜擢されて3安打猛打賞と気を吐いた。
そこから覚醒モードに入ったのか、その試合を含め4試合連続で2安打以上を記録。その後も自己最多の連続試合安打は「12」まで伸びており、いまもなお継続中だ。
さらに、8月28日からは1番に打順が繰り上がった。大活躍となった8月の数字を見ると、月間打率は.435(51-22)、2本塁打、7打点と素晴らしい成績だ。それだけではなく、上位打線を任される上で重要な出塁率も.463と高い。
優勝やCS出場権のかかったシーズン最終盤にはベテラン選手の「経験」も必要だが、若い選手を中心とした勢いも大事になってくる。ルーキーの木浪にとっては当然初めての順位争い。ここは、怖いもの知らずの勢いを持って突き進んでもらいたい。
8月の勢いをそのまま継続し、リードオフマンとしてチームをCS出場へ牽引していくことに期待したい。
▼ 木浪聖也(阪神)
ポジション:内野手
投打:右投左打
身長/体重:178センチ/80キロ
生年月日:1994年6月15日
経歴:青森山田高-亜細亜大-ホンダ-阪神(2018年・3位)
[今季通算] 95試 率.275(287-79)本4 点27
[8月成績] 16試 率.431(51-22)本2 点7
※数字は2019年9月4日終了時点