ロッテ・井上晴哉

 ロッテの井上晴哉が、これぞ“4番”の働きを見せている。3日の日本ハム戦、先制となる適時打を放てば、4日の日本ハム戦は2点を追う6回に昨季に並ぶシーズン24号本塁打を放ち、2試合連続でヒーローインタビューとなった。9月は4試合戦っているが、3試合でマルチ安打をマークするなど打撃好調だ。

 井上の状態が良い要因のひとつに、全体練習前(ホームゲーム)にロングティーを行なっていることが挙げられる。全体練習前にグラウンドでロングティーを行なっていたのは、鈴木大地のみだったが、8月20日の楽天戦以降は井上もロングティーで汗を流す。もちろん他の選手たちも全体練習前に、グラウンドで体を動かし試合前の準備を行なっている。

 18時15分試合開始の日は、13時15分頃にはすでにロングティーが始まっており、佐藤康平打撃投手があげるボールを黙々と打ち返している。三塁側ベンチ前付近で行なっている鈴木大地と、一塁ベンチ前付近で行う井上のロングティーは全体練習前の恒例行事になりつつある。

 井上はロングティーを始めたきっかけについて「残り試合も少ないし、CSもかかってくる。そこでやっぱり活躍というか、チームの勝利にひとつでも貢献したい」と明かす。

 井上の足元には2つのボールが置かれ「あそこの間を強くふるというのを去年もやっていて、いいものだったなと思い出してやっています」と、綺麗な弧を描いた打球が、次々とライトスタンドに飛び込んでいく。

 その効果については「ロングティーの方がボールに対してスイングのどうのこうのが伝わりやすいし、体調としては一番わかりやすい。また遠くに飛んでいない、飛んでいるなどいろいろわかる」と説明した。

 ロングティーをやり始めてから「数字もあがっている。なによりも考えてやるよりは、体を動かして感じる方がいいと思うんですよね」と話すように、ロングティーをはじめた8月20日以降、ホーム・ZOZOマリンでの成績は打率.421(38-16)、3本塁打、6打点の成績を残す。比較的涼しかった9月3日は表情がいつもより明るく、試合でも貴重な先制打を放ちお立ち台にも上がる活躍を見せた。

 また、ティーをあげる佐藤打撃投手の存在も大きい。佐藤打撃投手は左投げだが、「両方投げるのが苦ではない。できるだけ右打ちで投げる時は右手の方が見易いのかなと思って、僕は意図的にその方がいいかなと思ってやっています」と井上が打ちやすいように利き手ではない右手でトスをあげる。

 ここ最近の活躍の背景には、早くからグラウンドに姿を見せ、試合に向けた入念な準備が大きいといえるだろう。チームは4位だが、ゲーム差なしの3位・楽天と、熾烈なクライマックスシリーズ進出争いを繰り広げている。「日本シリーズにいけるところまで、しっかり戦いたいと思います」。チームが勝利するためにも、“4番・井上”の活躍は必要不可欠だ。

取材・文=岩下雄太

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