二木康太の背番号が「18」に
昨秋のドラフト会議から年末にかけて、ストーブリーグの主役として話題を振りまいてきたロッテ。昨季は惜しくも4位に終わってクライマックスシリーズ進出は叶わなかったものの、激闘の中で楽しみな若手が次々と台頭するなど実りの多いシーズンになった。
なかでも新シーズンに向けて期待が高まっているのが、プロ7年目を迎える二木康太。次代のエース候補として注目を浴びる右腕は、2020年シーズンから背番号「18」を背負う。
「18」といえば、日本球界ではエースナンバーとしてお馴染みの背番号。ロッテも過去には伊良部秀輝や清水直行、直近では涌井秀章が背負っていたもので、やはり二木に対する期待の大きさを感じさせる。
2013年のドラフト6位で鹿児島情報高からロッテに入団。プロ3年目の2016年にシーズン7勝を挙げると、翌2017年には初めて規定投球回に到達。しかし、ここ2年は伸び悩むところを見せており、今回の背番号変更をキッカケにもう一度飛躍することができるか、注目が集まっている。
種市、岩下ら中位・下位指名選手が戦力に
2020年のロッテ先発陣の陣容を見てみると、軸として期待されるのは将来的なメジャー挑戦を表明した石川歩、そしてFAでやって来た美馬学の2名。そこに続くのが、二木をはじめとする若手投手たちだ。
具体的に名前を挙げると、2016年のドラフト1位で獲得した佐々木千隼や岩下大輝、種市篤暉、小島和哉といったところ。この4人では佐々木こそドラ1入団も、岩下と小島は3位、種市は6位と、ドラフト3位以下の投手たちが徐々に頭角を現してきている。特に岩下と種市は高卒のプロ入りで、ここまでの育成が順調に進んでいることが伺える。
近年のロッテと言えば、平沢大河(2015年)に安田尚憲(2017年)、藤原恭大(2018年)、そして昨年の佐々木朗希と、ドラフト1位で高校生の目玉を次々に獲得してきた。平沢こそ若干伸び悩んではいるものの、安田はファームで結果を残して常にブレイク候補の筆頭に挙がる選手。藤原も高卒1年目から開幕スタメン出場を果たすなど、その期待は大きい。
このように、近年は1位で高校生野手の目玉を狙いつつ、中位から下位で高校生投手の好素材を獲得してきたロッテ。本来、素材型の高卒投手が戦力となるまでには比較的時間がかかることが多く、なかにはオリックス・山本由伸のような例もあるとはいえ、一般的には少なくとも3年、ほとんどの場合は5年以上の年月を要する。
限られた予算と登録枠のなか、モノになるかどうか未知数な高卒投手を多く獲得していくのは、編成上のリスクを考えると難しい方針。しかし、昨今のロッテはそのリスクを恐れることなく、一貫した指名戦略を続けてきた。その中から二木や岩下、種市といった若手たちが台頭してきたのである。
プロ野球という世界は、言うまでもなくアマチュア時代に実績のあるドラフト上位指名選手だけでペナントレースを制すことはできない。ドラフト中位・下位で指名した選手たちを育成し、どれだけ戦力にできるかが大きな分かれ目となる。
そして、ドラフト戦略だけではなく、FA戦線にも積極的に参戦し、ウィークポイントの補強も積極的に行うになったロッテ。そのすべてが噛み合ったとき、2010年以来となる「日本一」がぐっと近づくにちがいない。