高まる新外国人への期待値
ようやく野球ファンが待ちに待った瞬間が訪れた。2月1日、12球団がそろってキャンプイン。これから、各球団は2020年シーズンを勝ち抜くために戦力アップに努めることとなる。
しかしながら、短期間でのキャンプおいて出来得る戦力アップは限られたもの。そう考えると、現有戦力の底上げは大前提だが、新戦力にかかる期待はやはり大きくなる。その新戦力にはFA移籍した選手や即戦力ルーキーも含まれるが、期待値の高さという点ではやはり新外国人に注目が集まるところだ。
とくに、レギュラーに定着すれば常に試合に出場し続ける野手は、ひとりの新外国人の存在が打線の力やスタイルを大きく変えることもよくあること。そこで、12球団の新外国人野手について、その力量を測るべく、2019年シーズンの成績を振り返ってみたい。まずは、パ・リーグの新外国人選手から。
【12球団新外国人投手2019年成績】
▼ 西武
コーリー・スパンジェンバーグ(ブリュワーズ)
32試合 打率.232 出塁率.277 2本 10打点 3盗塁
▼ ソフトバンク
ウラディミール・バレンティン(ヤクルト)
120試合 打率.280 出塁率.363 33本 93打点 0盗塁
▼ 楽天
ステフェン・ロメロ(オリックス)
81試合 打率.305 出塁率.363 18本 63打点 3盗塁
▼ ロッテ
なし
▼ 日本ハム
クリスチャン・ビヤヌエバ(巨人)
73試合 打率.223 出塁率.325 8本 24打点 2盗塁
▼ オリックス
アダム・ジョーンズ(ダイヤモンドバックス)
137試合 打率.260 出塁率.313 16本 67打点 2盗塁
アデルリン・ロドリゲス(パドレス3A)
75試合 打率.321 出塁率.363 19本 64打点 0盗塁
「大物助っ人」と「国内移籍組」
最注目株となると、やはりオリックスに加入したアダム・ジョーンズとなるだろう。メジャー通算1939安打、282本塁打を誇り、シルバースラッガー賞も獲得している。昨季こそメジャーで16本塁打にとどまっているが、2011年から2017年まで7年連続で20本塁打を記録したパワーはやはり驚異。しかも、ただのパワーヒッターではない。ゴールドグラブ賞を4度獲得しているように守備力にも定評があり、攻守での活躍が期待される。
また、同じ新外国人でも、日本球界をはじめて経験する選手と異なるのが、「国内移籍組」だ。パ・リーグでは今季、バレンティン(ヤクルト⇒ソフトバンク)、ロメロ(オリックス⇒楽天)、ビヤヌエバ(巨人⇒日本ハム)の3選手が該当する。
その中でも日本球界での実績ではバレンティンが突出している。現在35歳のバレンティンだが、昨季もあたりまえのように30本以上の本塁打をマークし、その打棒が衰える気配は見えない。
また、昨季は81試合の出場にとどまったロメロも、来日3年目にして初の打率3割超をマーク。加えて、昨季は得点圏打率.364をマークするなど勝負強さも発揮した。昨季1シーズンを経験したビヤヌエバも含め、日本の環境や投手の攻め方に慣れてきたことで、成績をさらに伸ばすという可能性もあるだろう。
果たして、新外国人たちは期待通りの活躍をするのか、それとも……。期待と不安を胸に、その活躍を見守りたいと思う。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)