『B魂』第2回・西野真弘
「もう大丈夫です!安心してください」
昨年11月に京セラドーム大阪で開催された『Bsファンフェスタ』で、西野真弘が元気な姿を見せてくれた。
西野は昨年、体重増加なども影響し、肉離れで登録抹消。シーズン終盤に復帰を果たしたものの、またもやケガに悩まされたシーズンとなった。56試合の出場は、シーズン序盤の骨折により離脱した2015年のルーキーイヤーよりも1試合少ない。
西野は昨季を「体を大きくしてからシーズン序盤はなかなか状態が上がらず、試合にもなかなか出られなかった。中盤でやっと状態も上がり、よしここからだ!と思った時にケガをした。昨年同様に調子が良い時にケガをして離脱したので、より一層悔しいシーズンでした」と振り返る。
前年に続くケガでの離脱に、「またか」という言葉が西野の脳裏を過ぎったことは言うまでもない
オフには足首の手術をしたこともあり、現在は復帰に向けたリハビリに臨んでいる西野は、春季キャンプも二軍スタート。「まずは手術した箇所を治して、全力でプレーできる体を作ること!キレを出すこと!」を目標に掲げ、技術面においては「鋭い打球を打てる様に」取り組んでいる。
燃え続ける闘志
昨年は「自分の体をコントロールできる様にすること」が課題だと考え、シーズン中には田口壮コーチから「焦って打ちにいっている様に見える」との指摘を受け、「そこからゆっくり長くボールを見るように改善した結果、状態が上向きになった」と、手応えを感じている。
だからこそ、今季は「レギュラーを獲るために、まずはケガをしないこと。ケガのイメージがあると計算しづらい選手になり、レギュラーとは言えない。そしてチャンスをしっかり物にすること。レギュラーを獲れるようにチャンスをモノにしたい」と力をこめる。
もちろん、その先には「Aクラス、優勝するためチームに貢献できる活躍をしたい」との思いがある。
2016年は全試合に出場したが、2017年は不振に喘ぎ、ここ2年間はケガに泣かされた。前途有望な若手も入り、今年の夏には30歳となるが、レギュラー争いを諦める気はサラサラない。内に秘めた闘志は激しく燃え続けている。その火種のひとつが、ファンの存在だ。
「ファンの皆さんには、いつも感謝しかない。今までケガをして裏切ってきた分、今年は頑張るので、応援よろしくお願いします!」。その言葉の端々からは、今年にかける思いの強さを感じた。
ルーキーイヤーの2015年4月29日、初開催の『Bsオリ姫デー』でヒーローとなり、一躍シンデレラボーイとなったあのときの輝きを、再び見せてもらいたい。
現有戦力の底上げが必要不可欠ななか、西野が安達了一らと共に内野手のレギュラー争いに割って入っていくことができれば、チームに厚みが生まれることは間違いない。若いチームが優勝争いを演じていく上で、リーダーシップを発揮できる西野は欠かせないピースのひとつになるはずだ。
取材・文=どら増田
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※訂正とお詫び(2020年2月4日22時50分)
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初出時、2019年に骨折とありましたが、正しくは2018年でした。
申し訳ございません。訂正してお詫び申し上げます。