西武・スパンジェンバーグ

◆ 7〜9番打者の連打で挙げた先制点

 秋山翔吾(米レッズ)が抜け、戦力ダウンが危惧される西武打線だが、杞憂に終わるかもしれない。フレッシュな顔ぶれの「下位打線」が、なかなか魅力的なのだ。

 2月23日に行われたロッテとの練習試合の3回、先頭で打席に立ったのは、「7番」に起用された新外国人・スパンジェンバーグ。三遊間への打球は打ち損じたようなあたりではあったが、全力疾走を見せて内野安打とした。練習試合で見せた外国人選手の全力疾走にスタンドは湧き、早くもファンの心を掴みつつある。

 続く「8番」は、まだ一軍の公式戦出場がないプロ5年目、26歳の川越誠司。その川越は、鋭い打球を右前に飛ばし、無死一二塁にチャンスを拡大。すると、9番のプロ2年目、23歳の佐藤龍世は、内角高めのボールに詰まりながらも、しっかりバットを振り抜き、弾かれた打球は左前へ。浅いあたりではあったが、ここでも二塁走者のスパンジェンバーグは全力疾走を披露し、先制のホームを踏んだ。

 入団会見の席で「足の速さも自分のストロングポイント」と語っていたスパンジェンバーグは、その言葉通り、近年の西武の強さのひとつでもある、高い走塁意識をすでに持ち合わせていることをアピールした。この回は、下位打線が連打でつないで上位打線に回したことで、3番・森友哉のタイムリーも呼び込んだ。基本的に投手が打席に立たないパ・リーグの場合、やはり下位打線に力があると、一気に得点力が増すことになる。

◆ 下位の打者が練習試合で連日の活躍

 また、ここまでのところスパンジェンバーグは、選球眼もいいように見える。この日の6回に四球を選んだ他、前日のロッテとの練習試合でも3打席すべて四球で出塁している。バットを振り回すタイプの外国人選手ではなく、なかなかしぶとい打者という印象だ。

 また、佐藤は3回の適時打の他、7回に二塁打、9回に中前打を記録し、3安打猛打賞をマーク。川越は前日のロッテとの練習試合で勝ち越し2ランを放った他、スパンジェンバーグらがつないでつくった5回の二死満塁のチャンスできっちり押し出し四球を選ぶなど、西武の下位打線には、「つなぐ意識」も感じられる。

 どうしても山川穂高や中村剛也、森など、長距離砲の一発や長打にフォーカスが当てられがちだが、西武打線には高い走塁意識とつなぐ意識もある。怖い「つなぐ下位打線」によって、今季の西武打線も強力なものとなりそうだ。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

【プロフィール・清家茂樹】
1975年、愛媛県生まれ。出版社勤務を経て2012年独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。野球好きが高じてニコニコ生放送『愛甲猛の激ヤバトーク 野良犬の穴』にも出演中。

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