日本人選手の戦いぶりはどうだった?
3月20日、本来であれば日本のプロ野球の開幕日だったこの日。しかし、「新型コロナウイルス」の感染拡大を受け、シーズン開幕が一時延期に。4月中の開催に向けて協議が続いている。
見えない敵は海の向こうでも猛威を振るっており、アメリカでは国家緊急事態が宣言されるなか、メジャーリーグは開催中だったオープン戦をすべて中止に。シーズン開幕の延期も早々に決断した。
発表当初、延期は「少なくとも2週間」というところだったが、まるで終息の見通しが立たない現状から今では「5月」といった説のほか、「7月」までズレ込むのではという予想も出てきている。
日本では無観客でオープン戦が行われたものの、アメリカでは現地時間12日(日本時間13日)の時点でオープン戦も打ち切りに。新シーズンに向けて調整を続けていた日本人選手たちはどんなパフォーマンスを見せていたのか。今回は野手の3人の戦いぶりを振り返ってみる。
"二刀流"完全復活に向けて…
▼ 大谷翔平(エンゼルス)
9試 率.105(19-2) 本0 点1
当初は5月中旬ごろの"二刀流"復活を目指していた大谷。しかし、開幕が6月以降にズレ込むことが濃厚となっている情勢もあって、今後の状況次第では開幕から先発ローテーションに入る可能性も出てきた。
オープン戦では打者のみの出場で、9試合の出場ながら安打わずか2本の打率.105と低迷。11の三振を喫するなど、不安を露呈している。
しかし、思い起こして見るとメジャー1年目のオープン戦も.125と不振。二刀流というスタイルにも疑問が投げかけられ、「開幕はマイナーでスタートすべき」という声も挙がった。また、昨季も故障明けからのぶっつけで臨んだ5月はなかなか調子が上がらなかったように、元来スロースターターな面があると考えられる。
良い意味でオープン戦の成績がアテにならないタイプ。この時点での低迷を不安視する必要はなさそうだ。
今季から海を渡った2人
▼ 筒香嘉智(レイズ)
12試 率.179(28-5) 本1 点3
上々の滑り出しを切ったかに見えた筒香も、終わってみれば打率1割台と苦しんだ。
2月下旬こそ絶好調で快音を響かせていたが、3月に入ってからは大ブレーキ。なかでも心配なのが三振の数で、打ち取られた23のアウトのうち、13個が三振。凡退の半数以上を占めており、特に変化球にバットが空を切る場面が目立った。
メジャー1年目、しっかりと結果を残しておきたい立場だっただけに、開幕後の出場機会にも影響を及ぼす可能性もある。空いた時間で調整していくことができるだろうか。
▼ 秋山翔吾(レッズ)
10試 率.321(28-9) 本0 点1
日本人打者3人のなかで最も充実したキャンプを送ったのは秋山だろう。
リードオフマンとして期待される男にとって、打率.321・出塁率.367はアピール成功と言える数字。長打は二塁打の1本だけだったが、しっかりと実戦で結果を残したのは首脳陣にとっても好印象だろう。
出場が叶った瞬間、日本人による"メジャー全30球団制覇"という夢も果たされるだけに、開幕から注目が集まる。
文=八木遊(やぎ・ゆう)