たのしみな“1年生”たち【東京六大学】
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、6月8日に開幕予定だった『全日本大学野球選手権』は8月12日開幕に延期となった。
各地区の春季リーグも5月下旬以降に開幕がずれ込んでいるが、今年も楽しみな新入生がたくさんいる。というわけで、今回からは全国各地のリーグで華々しいデビューが期待される“新入生”に注目。ここでは東京六大学に進学した選手たちを紹介していきたい。
タレント豊富な早稲田
投手では、昨年夏の甲子園優勝校のエースである清水大成(履正社高)と、U-18・W杯でも活躍を見せた飯塚脩人(習志野高)が加入した。
上級生に好投手が多いだけに、すぐにデビューするかは微妙な状況だが、ともに高校時代に見せたようなピッチングができれば、十分に大学でも通用する可能性は高い。
この2人よりも早くデビューしそうなのが、内野手の熊田任洋(東邦高)だ。
春の選抜で石川昂弥(現・中日)とともに中軸として優勝に貢献し、U-18・W杯でもチームに数多くいたショートの選手のなかから正遊撃手を務めた。高レベルで三拍子揃っており、いきなりレギュラーを奪ってもおかしくはないだろう。
また、選抜で1試合2本塁打を放った右の長距離砲である野村健太(山梨学院高)にも将来の中軸として期待がかかる。
王者・慶応、2位の法政は…?
昨年秋の日本一に輝いた慶応大で、最も早く戦力になりそうなのが外野手の斎藤來音(静岡高)だ。
高校時代は1年秋から外野の一角をつかむと、2年春に出場した選抜甲子園で2本のスリーベースを放ち、高いミート力と抜群の脚力を見せつけた。
その後は故障に苦しみ内野に回った時期もあったが、最後の夏は再び外野手として復帰。昨年夏の甲子園でも初戦で津田学園に敗れたものの、プロ入りした前佑囲斗(オリックス)から2安打を放つなど、存在感を示した。三拍子揃ったアスリートタイプの選手であり、早くから外野のレギュラー争いに加わる可能性が高いだろう。
他の野手をみると、捕手の宮崎恭輔(国学院久我山高)も好素材。いかにもキャッチャーらしいたくましい体格で、セカンド送球はコンスタントに1.9秒台をマークする。
投手では、中学時代から大器と期待された谷村然(桐光学園高)、昨年春夏の甲子園で好投した森下佑樹(米子東高)などが楽しみだ。
昨年秋に惜しくも2位に終わった法政大は、ともに強打の内野手として注目の高かった今泉颯太(中京大中京高)と内海貴斗(横浜高)が入部した。今泉はバランスの良い走攻守、内海はパワフルな打撃が持ち味。
投手では、一昨年秋の明治神宮大会で優勝投手となった西原健太(札幌大谷高)、昨年夏の神奈川大会で決勝進出の原動力となった武冨陸(日大藤沢高)に注目だ。
立教に“150キロ右腕”池田陽佑
森下暢仁(現・広島)と伊勢大夢(現・DeNA)の2人が抜けた明治大は、その穴を埋めるべく、村田賢一(春日部共栄高)・岡田幹太(常総学院高)・蒔田稔(九州学院高)・石原勇輝(広陵高)・森勝哉(広陵高)といった投手の好素材が多く入部した。
村田は選抜では1回戦で敗れたものの、その後に行われた春の埼玉県大会ではノーヒット・ノーランも達成している。岡田も3年時は不調だったものの、下級生の頃から評判だった本格派だ。
蒔田は九州屈指の右腕。高い制球力で安定感は申し分ない。石原と森はエースではなかったが、ともに素材の良さが光るサウスポーである。
野手では、上田希由翔(愛産大三河高)と斉藤勇人(常総学院高)の左右の大型打者が楽しみだ。
上田は愛知県内では石川昂弥に次ぐ存在と見られていた強打者。柔らかさのあるスイングで木製バットへの対応力も光る。一方、斉藤はプロ入りした菊田拡和(現・巨人)とともに中軸を任されており、肩の強さや運動能力の高さでも目立つ。
続いて立教大。即戦力として期待がかかるのが、150キロ右腕の池田陽佑(智弁和歌山高)だ。
選抜後に一気にスピードアップし、夏の甲子園では見事な投球を見せた。速いだけでなく、打者の手元で動く球筋も持ち味で、上手くバットの芯を外すことができる。昨年まで不動のエースだった田中誠也(現・大阪ガス)が卒業しただけに、早くから先発として期待したい。
野手では、池田のチームメイトだった西川晋太郎(智弁和歌山高)も入部。
小柄だがショートの動きは一級品だけに、まずは守備でアピールしたい。他では強肩強打の捕手・畑敦巳(浦和学院高)、強打の外野手として甲子園でも活躍した安藤碧(明石商高)なども楽しみな素材だ。
☆記事提供:プロアマ野球研究所