コラム 2020.06.17. 08:00

カープ番記者が分析、ドラ1ルーキー森下暢仁が“三本柱”に成長できるか【チーム展望・投手編】

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「先発3番手」まで評価を上げた新人・森下暢仁「先発3番手」まで評価を上げた新人・森下暢仁

期待の森下は評判通りの実力を披露

 新人が投手陣の命運を握っている。ドラフト1位・森下暢仁(明大)は、大卒ナンバー1との評判通りの実力を見せ、シーズン1年目の開幕へ順調なステップを踏んだ。春季キャンプでブルペン入りすれば伸びのある直球で首脳陣らを驚かせ、実戦登板すれば150キロ超の直球に、全てが一級品のカーブ、カットボール、チェンジアップを操って、他球団を翻弄(ほんろう)している。

 佐々岡真司監督からは開幕ローテーション入りを早々に認められるなど、大瀬良、K・ジョンソンの2本柱に続く「先発3番手」にまで評価を上げた。「場所をつかめればそこを離さないようにしたい。開幕してからが勝負なのでいまは関係ない。シーズンに入って結果を残せるように準備したいです」。結果に一喜一憂せずに本番を見据える冷静さも兼ね備えている。

 野村祐輔が2月早々に負傷離脱してから暗雲が垂れ込めていた先発陣は、開幕直前に明るい兆しが見えてきた。昨季7勝を挙げた床田寛樹は、春季キャンプから「こんなことは初めてです」と不調に頭を悩ませていたものの、開幕に間に合わせるように復調した。九里亜蓮は、3月中の2軍降格に奮起して先発奪取。駒不足を好機に、1軍で先発経験のない高卒3年目の遠藤淳志が存在感を高めている。

 どのような先発構成となろうと、中心には大瀬良がいる。佐々岡監督から「エース」と呼ばれても、自身はまだ納得していない。

「昨年、大事なところで勝てなかったのが、僕の中で強く残っている。そういったところで勝てないと、本物のエースと呼ばれる投手にはなれない」。

 昨季の月間防御率は、6月から3カ月連続で5点台。失速の反省から、オフ期間には「よりシンプルに負荷をかけないように」と2段モーションを封印する新フォームに挑戦した。結果として1月下旬から昨季同様の「2段」を再解禁したが、変化を厭わない姿勢で真のエースを目指す覚悟を示した。



スコットにつなぐ救援整備は急務

 勝ちパターンの再構築は、今春最大のテーマだった。佐々岡監督は、昨年10月の就任会見でも「3連覇は(盤石な)7~9回があったから。立て直さないといけない」と強いこだわりを示していた。

 しかし、速攻性のある解決策はいまも見当たらない。昨季途中から抑えを務めたフランスアは、150キロ後半の直球が戻らず、最有力だった守護神の立場を白紙に戻された。抑え候補と見られていたDJ・ジョンソンは150キロ超のストレートを誇りながら、オープン戦3試合連続で被弾を許すなど防御率7・71と低調。開幕延期後も、復調気配に乏しいままだ。一方、新助っ人のスコットは、動きの大きいツーシームだけでなくスライダーを多投する新機軸で結果を残して、守護神最有力にまで評価を高めたのは救いである。

 救援陣が軒並み不調に陥る中、実績組の存在価値が高まっている。中崎翔太は、昨年11月に受けた右膝手術のリハビリを経て、6月上旬に1軍合流した。昨季36試合、防御率4・08の不調で抑えをはく奪され、今季も信頼回復が必要な立場から始まることに変わりはない。それでも、リーグ3連覇時の胴上げ投手の復帰がブルペン陣にもたらす影響は大きい。そして、2016、17年と2年連続で60試合以上に登板した今村猛も、中崎と同時に1軍に合流した。課題解消への打つ手を全て打って、開幕を迎えることになる。

 抑え最有力のスコットにつなぐ救援整備は急務。現状を考えれば、「勝利の方程式」は流動的になる可能性もあり、好調な投手を中心とした柔軟な対応が求められる。球団53年ぶりの投手出身監督がシーズン中の不測の事態にどのような一手を加えるかで、投手陣の充実度が決まるかもしれない。

文=河合洋介(スポーツニッポン・カープ担当)
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