コラム

滋賀の公立校に現れた146キロ右腕…瀬田工・小辻鷹仁の実力を徹底診断!

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瀬田工・小辻鷹仁選手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

7球団のスカウトが集結!


 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、残念ながら今年の全国高校野球選手権および代表校を決める地方大会は中止となってしまった。それでも、各地で代替大会は行われることになり、早い地域では既に佳境を迎えているところもある。

 プロアマ野球研究所(PABBlab)では、そんな代替大会での活躍が期待される、もしくは活躍が光った選手についても積極的に紹介していきたい。

 今回は、公立高の選手ながら近畿でも指折りのスケールを誇る、“最速146キロの大型右腕”を取り上げる。


滋賀の古豪に現れた注目株


 滋賀県立瀬田工業高校。過去に春夏合わせて3度の甲子園出場経験があり、1980年夏には滋賀県勢として初の準決勝進出も果たしている。かつて日本ハムのエースとして活躍した西崎幸広は、同校のOBである。

 しかし、2011年夏に滋賀大会の準決勝に進出して以降は目立った成績を残しておらず、県内でもすっかり“古豪”という位置づけというのが現状だ。そんな瀬田工に、今年はプロのスカウト陣から高い注目度を集めている投手がいる。小辻鷹仁だ。

 昨年秋は投打にわたる活躍でチームを県大会準々決勝まで導き、年末には滋賀県選抜チームの一員としてオーストラリア遠征でも好投。そんな注目右腕の実力を確かめるべく、7月12日に行われた京都国際との練習試合に足を運んだ。


 「4番・投手」として出場した小辻は、立ち上がりに一死から四球と連打で1点を失ったものの、その後は連続三振を奪って波に乗り、2回から5回まではノーヒットピッチングを披露。

 終盤は疲れもあってか、走者を背負う場面が増え、最終回にも1失点を喫したものの、最終的には6安打で2失点という内容。11奪三振で完投と、評判通りのピッチングを見せた。


元巨人のエース・斎藤雅樹に似たイメージ?


 フォームはサイドスローに近いスリークォーターだが、182センチの上背があり、ピッチングスタイルは完全に本格派と言えるほどストレートに勢いがあるのが最大の魅力。テイクバックで少し腕が背中に入っても引っかかるようなところがなく、スムーズに腕を振ることができている。さらに肘の使い方に柔らかさがあるため、球持ちも長く、体の前でリリースできるのも特長だ。

 先に腕の振りについて書いたが、ステップにも粘りがあり、下半身をしっかり使って腕が振れるのも大きい。イメージとしては、少し古くなるが、平成の大エースと呼ばれた斎藤雅樹(元巨人)や、鷲宮高校時代の増渕竜義(元ヤクルトほか)に通じるところがある。


 この日のストレートの最速は143キロ。驚くような数字ではないが、サイド気味の腕の振りから打者に近いところでリリースされるため、数字以上にボールの勢いを感じた。また、球数が100球を超えてからも140キロ台のスピードをマークするなど、スタミナも申し分ない。

 加えて、カーブとスライダー、チェンジアップとシンカーという対になる変化球を2種類ずつ操り、特に速いスライダーはボール球でも空振りを奪えるだけの鋭さがある。

 ただし、この日も計6四球を与えているように、課題はコントロールとなる。特に立ち上がりはストレートが高めに浮き、ボールが先行する場面が目立った。それでも、変化球である程度カウントを整えることができ、走者を背負ってからも粘り強く投げられるのも長所である。

 また、ヒットこそ出なかったものの、力強いスイングも目立ち、5打席で3四球を選ぶなど、4番打者としての役割も果たしていた。


西崎幸広以来のプロ入りなるか?


 この日、スタンドに詰めかけたスカウトは7球団・計12人。この数からも、小辻に対する注目度の高さがうかがえる。


 また、7月19日に行われた滋賀大会の1回戦でも、計8四球を与えながら13奪三振で1失点の完投勝利。冒頭で触れたように、近年は低迷しているチームということもあって、まだまだ細かい部分は課題が残るものの、素材の良さはレベルの高い近畿の中でも指折りであることは間違いない。

 西崎以来となる、瀬田工からのプロ野球選手誕生なるか…。持っている資質を考えれば、秋のドラフト指名も十分に考えられるだろう。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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