コラム

1位候補は3人の右腕…? 注目の高校生ドラフト候補と「狙うべき球団」【投手 編】

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中京大中京の高橋宏斗選手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

高校生投手の注目候補は…?


 全国各地で熱戦が繰り広げられた高校野球の“代替大会”も、8月をもってすべての戦いに幕。今年の高校3年生たちが挑む公式戦がすべて終了した。

 春から大会の中止が相次いだこともあり、プロ入りを目指す選手にとっては例年よりも圧倒的にアピールの場が少なくなってしまった。しかし、そんな中でもアピールに成功した選手もいる。


 そこで今回は、この夏の少ないチャンスを掴んで輝きを放った高校生ドラフト候補をピックアップ。その選手を「狙うべき球団」も、あわせて紹介していきたい。


世代No.1右腕と言えば…


 今年の高校生・投手で1位候補として有力な選手となると、高橋宏斗(中京大中京)と中森俊介(明石商)、山下舜平大(福岡大大濠)の3人になるだろう。


 中でも頭一つ抜けた印象を受けるのが高橋だ。

 自粛期間が明けた6月の愛工大名電との練習試合。そこで150キロ台のストレートを連発してスカウト陣を驚かせると、その後の代替大会と甲子園交流試合でもその勢いは衰えることはなく、“高校No.1投手”としての評価を不動のものにした印象を受ける。

 スピードだけでなく、スライダーとカットボール、さらにはフォークなど、あやつる変化球の質も高く、コントロールも安定している。プロでも早い時期からローテーション入りが期待できるだろう。

 現時点ではプロ野球志望届の提出がなく、進学という噂もある速球派右腕だが、高卒でのプロ挑戦を表明すれば、1位で消えても仕方がない素材。とくにエース・菅野智之の後釜が課題の巨人は、是が非でも狙いたい選手だと言えるのではないか。


 2年時までは世代No.1投手と見られていた中森は、高橋ほどの成長を見せることはなかったものの、それでも甲子園交流試合ではさすがの投球を見せた。

 同じ球種でも状況によって微妙に変化をつけ、打者の打ちとり方を知っていることが大きな長所。特に、スライダーは曲がりの大きさとスピードにバリエーションがあり、プロが投げているようなボールにも見える。

 試合後、狭間善徳監督からは「(中森について)そんな、ええなと思いません」と厳しい言葉もかけられ、下級生の頃からの成長度を不安視する声も聞かれるが、投手としての能力の高さは間違いない。

 大舞台に強く、クレバーなプレースタイルで自分をしっかりと持っているだけに、何かと注目度が高い地元・阪神は狙い目の選手と言えそうだ。


 また、最終学年で大きくブレイクした投手と言えば、山下になるだろう。

 先日も、このサイトに『“160キロ”も夢ではない!福岡大大濠・山下舜平大の「半端ないスケール感」』というコラムを寄稿。そこで凄みと成長度合いを紹介したが、スケールの大きさについては今年の高校生でNo.1と言える存在である。

 あえてカーブ以外の変化球を封印していることもあり、完成度や投球術では高橋と中森には劣るため、本格的な一軍デビューには少し時間がかかるかもしれないが、モノになった時は日本を代表する投手になる可能性も秘めている。

 将来のエース候補として期待がかかる右腕だけに、現状で投手陣の再建が急務となっている球団は少し手が出しづらいか。

 そのなかでも、日本ハムは投手陣に柱となる存在が求められるチーム状況で、過去にはダルビッシュ有(現・カブス)や大谷翔平(現・エンゼルス)といった大型右腕を育成した経験がある。山下にとってはうってつけの環境と言えるのではないか。


智辯和歌山の剛腕はリリーフ候補?


 この3人に続く上位候補となると、小林樹斗(智弁和歌山)の名前が挙がる。

 昨年秋は不調だったものの、春から夏にかけては安定感が大幅にアップ。和歌山の代替大会では、最速152キロをマークした。

 少し重心が上下動するものの、他には目立った悪い癖のない伸びやかなフォームで、金子弌大(現・日本ハム)の若い頃にイメージが重なる。

 この夏は全てリリーフでの登板となったが、いきなりエンジン全開で投げられるところを見ると、クローザーとしての適性も高いように感じる。

 今季最終回で苦しんでいるチームと言えば、セ・リーグで苦戦を強いられている広島だろう。

 リーグ3連覇を支えた中崎翔太や今村猛、一岡竜司といったリリーフ陣が軒並み勤続疲労で苦しんでいるだけに、将来のブルペンを支える存在として触手が伸びても不思議ではない。


注目のサウスポーも…


 ここまでは右腕ばかりのラインナップとなったが、サウスポーでは高田琢登(静岡商)、松本隆之介(横浜)の評価が高い。また、この夏に抜群のピッチングを見せた根本悠楓(苫小牧中央)も合わせた3人が有力候補となりそうだ。


 高田はセンスの良さが光るタイプの投手。スピードも好調時は145キロを超えてくるが、どちらかというと変化球とのコンビネーションで相手を抑えていくイメージだ。

 持ち場も問わずに活躍が期待できるが、先発で良さを発揮するタイプだけに、若い左の先発候補が不足している西武などは補強ポイントに当てはまるだろう。


 松本は長身と長いリーチを生かした豪快な腕の振りから繰り出すストレートの勢いが最大の魅力だ。

 夏の神奈川大会はもう少しという出来だったが、自粛期間明けの練習試合では140キロ台後半を連発する圧巻のピッチングを披露。少し時間がかかるタイプには見えるものの、その潜在能力の高さはピカイチだ。

 スケールの大きい高校卒の若手投手が欲しい楽天には特におすすめの投手である。


 最後に、上背がないため上位候補とは見られていないが、意外とプロで最も早く戦力になりそうなのが根本である。

 先発としてもしっかり試合を作ることができ、ここ一番ではギアを上げられるためリリーフとして起用しても面白い。落ち着いたマウンドさばきもプロ向きだ。

 若手投手の底上げが課題のヤクルトなどは、3位以降で狙えれば面白いだろう。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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