コラム 2020.09.28. 12:45

チームを支える「中継ぎ陣」…ここまでの各球団最多登板投手は!?

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ソフトバンクのリバン・モイネロ (C) Kyodo News

中継ぎ陣の登板過多が心配されるDeNA


 今季は過密日程に加え、延長10回打ち切りという特別ルールにより仕掛けが早まることで、中継ぎ投手の負担増が懸念されるなかではじまった。現在、そのシーズンは3分の2強を終えている。

 ここで、各球団を支える中継ぎ投手たちの奮闘をねぎらう意味も込めて、各球団においてもっとも登板数が多い中継ぎ投手のここまでの成績を見てみたい。まずはセ・リーグから。

【セ・リーグ球団別最多登板中継ぎ投手】
エスコバー(DeNA):44試合(41回1/3)0勝3敗12H0S 防御率2.40 45奪三振
清水昇(ヤクルト):37試合(39回)0勝4敗22H0S 防御率3.23 42奪三振
塹江敦哉(広島) :37試合(37回2/3)3勝3敗15H0S 防御率2.87 33奪三振
スアレス(阪神) :36試合(37回2/3)2勝0敗6H17S 防御率1.43 35奪三振
祖父江大輔(中日):36試合(34回1/3)1勝0敗19H0S 防御率1.31 20奪三振
中川皓太(巨人) :33試合(32回)2勝1敗13H6S 防御率0.84 24奪三振

 そもそも登板数が多いということは、それだけ首脳陣の信頼を勝ち得ている投手だということ。それだけに、名を連ねているのは好成績を残している投手がほとんどだ。そのなかで、両リーグを通じてもっとも登板数が多いのがエスコバー(DeNA)だった。

 ここまで3敗を喫しているものの、防御率2.40としっかり首脳陣の期待に応えている。ただ、DeNAの場合は、エスコバーに次いでパットンが12球団2位タイの40試合に登板するなど、中継ぎ陣の酷使を心配する声も聞かれる。

 そのDeNAと対象的といえるのが巨人だろう。巨人でもっとも登板試合数が多かったのは中川皓太だ。その防御率は0.84、今季の自責点はわずか「3」と見事な投球を続けている。ただその登板数は33試合と、セ・リーグ13位にとどまるものだ。それだけ先発陣が長いイニングを投げることができている、あるいは中継ぎ陣の負担を複数の投手にうまく分散できているということ。そのことも、巨人独走のひとつの要因と言えそうだ。


楽天・牧田、日本ハム・宮西の両ベテランが健在


 続いて、パ・リーグを見てみたい。

【パ・リーグ球団別最多登板中継ぎ投手】
モイネロ(ソフトバンク):40試合(38回1/3)1勝1敗31H1S 防御率1.17 68奪三振
牧田和久(楽天) :38試合(37回)1勝1敗19H1S 防御率1.46 25奪三振
宮西尚生(日本ハム) :38試合(37回)2勝1敗19H3S 防御率2.68 40奪三振
平良海馬(西武) :38試合(36回2/3)0勝0敗20H0S 防御率1.96 45奪三振
益田直也(ロッテ) :37試合(36回1/3)2勝2敗3H24S 防御率1.98 37奪三振
山田修義(オリックス) :34試合(30回2/3)2勝4敗12H0S 防御率4.70 35奪三振

 パ・リーグの最多登板投手はモイネロ(ソフトバンク)。「1.17」という防御率も素晴らしいが、なんといっても目を引くのは38回1/3を投げて68奪三振という数字だ。9投球回あたりの奪三振数である奪三振率にすればなんと「15.97」となる。

 基本的に先発投手に比べて中継ぎ投手の奪三振は多くなるものの、1投球回あたり2奪三振に迫るこの数字は驚異的としかいいようがない。首脳陣からすればこれほど頼もしい中継ぎ投手もそうはいないだろう。

 そして、心から称賛の声を送りたいのが、ともに現在35歳の牧田和久(楽天)と宮西尚生(日本ハム)だ。奇しくもここまでまったく同じ38試合37回を投げており、「ベテラン健在」という姿を見せてくれている。

 ただ、牧田や宮西らベテラン勢を含め、中継ぎ投手が本当に苦しくなるのはこれからだろう。今季のレギュラーシーズンは11月に入ってなお続く。例年なら日本シリーズもとっくに終わっている時期だ。もともと例年より早い予定だったシーズン開幕に合わせて調整したコンディションを、例年よりはるかに長く維持しなければならない。

 もちろん、これはすべての選手にいえることだが、異例のシーズンを戦い抜くには中継ぎ投手の踏ん張りが不可欠だ。今後の中継ぎ投手たちの奮闘に期待するとともに、彼らにエールを送りたい。

※数字は9月27日終了時点


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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