ロッテを襲ったコロナショック
優勝を争うロッテが激震に見舞われた。
ロッテは6日、鳥谷敬ら選手・スタッフあわせて11人の新型コロナウイルス陽性を発表。2日前に陽性判定を受けた岩下大輝や濃厚接触者の選手を含めると一軍でプレーする多くの主力選手が一時戦列を離れることになる。
ソフトバンクと優勝を争うロッテは、この苦境を乗り越えることはできるのだろうか――。
ロッテは6日からオリックスと3連戦、そして9日からはソフトバンクとの直接対決3連戦を予定している。ロッテは今季、オリックスに14勝2敗1分、ソフトバンクには10勝4敗1分と大きく勝ち越しているだけに、この6連戦が大きなヤマ場。勝負のシーズン終盤に向けて、 “マクる”ならこの今しかないというタイミングでの大量感染判明となった。
今季のロッテは12個の貯金をつくっているが、失点数(387)が得点数(384)を上回っている。つまり、リーグ平均的な戦力にもかかわらず、粘り強さで接戦をものにし、ソフトバンクに食らいついている状態が続いているということだ。
そんなチーム事情において、投手陣では今季5勝の岩下が戦列を離れることで、さらなる結束が求められる。特に開幕からフル稼働の救援陣はこの苦境を心を一つにして乗り切る必要があるだろう。
チームを支える“守護神”
その救援陣の中心が守護神を務める益田直也だ。今季はチーム最多の41試合に登板、2勝2敗、27セーブ、防御率2.01という大車輪の活躍を見せている。今季のロッテの躍進は、益田の活躍なしに語ることはできないだろう。もしロッテが逆転で優勝を果たせば、MVP候補のひとりに名前が挙がってもおかしくない活躍ぶりだ。
8月には、プロ野球史上5人目となる通算100セーブ&100ホールドを達成。選手会長として、投手陣だけでなく、チーム全体を引っ張る存在でもある。また、チーム内で優勝に最も強いこだわりを持っている選手の一人であることは間違いない。
昨オフには、取得した国内フリーエジェント(FA)権を行使せず、残留を決意。「ファンの方々からSNSで『残ってほしい』という声をたくさんいただいた。違うチームに行って優勝というのが想像できなかった。ロッテで優勝したい。このファンのいるところで優勝したい」と残留を決断した理由を述べている。
プロ入り9年目。2011年のドラフトで入団しており、2010年の日本一を知らない。まだ経験したことがない美酒を味わうためにも、残り28試合、フル回転でチームの難局を救いたい。
※成績は10月5日時点
文=八木遊(やぎ・ゆう)