2020.11.08 13:00 | ||||
千葉ロッテマリーンズ | 8 | 終了 | 2 | 埼玉西武ライオンズ |
ZOZOマリン |
得点力不足の打線をカバーし投手陣
11月8日、勝てばCS進出が決まるという3位・西武との直接対決を制したロッテが、2007年以来13年ぶりの2位となり、2016年以来4年ぶりのCS進出を決めた。
今季のロッテ打線は、爆発力や迫力には欠けた。チームの打率や安打数、本塁打、打点など多くの打撃指標はリーグ下位にとどまっている。一方、リーグトップの四球を奪うなど、粘りの攻撃こそが今季のロッテ打線の特徴だった。しかし、それでも長打力に乏しい打線で奪える得点には限度がある。実際、チームの457得点は、最下位オリックスの442得点に次ぐリーグワースト2位だ。
そうなると、ロッテのペナントレース2位を支えたのは、やはり投手陣ということになる。チーム防御率3.78はソフトバンクの「2.93」には大差をつけられているとはいえリーグ2位。そのなかでも、救援防御率3.26を誇る中継ぎ陣の奮闘が目を引く。とくに、いわゆる勝ちパターンの唐川侑己、澤村拓一、ハーマン、益田直也の4人は盤石。ここであらためて4人の今季成績を振り返ってみる。
【ロッテ勝ちパターン4投手の今季成績】
唐川侑己:32試合(1勝1敗 14H 0S)23奪三振 防御率1.19
澤村拓一:22試合(0勝2敗 13H 1S)29奪三振 防御率1.71
ハーマン:38試合(3勝2敗 23H 1S)37奪三振 防御率2.15
益田直也:54試合(3勝5敗 5H 31S)53奪三振 防御率2.25
※澤村の成績は移籍後
ハーマンの穴を埋めた澤村
チームにとっては、澤村の加入によって勝ちパターンのカードが4枚になったことは非常に大きかった。澤村の加入が決まった直後の9月16日に、ハーマンはケガによって出場選手登録を抹消され、10月27日に再登録されるまで戦列を離れることとなった。そのあいだ、もし澤村がいなかったら、ロッテはこの順位にいなかったかもしれない。
澤村のトレード移籍は、澤村がドラフト1位で巨人入りした選手ということや、推定年俸1億円を超える日本人選手のシーズン途中におけるトレードとして3例目ということなどにより大きな注目を集めた。そしてなにより、入団発表会見を行ったその日に移籍後初登板を果たし、三者三振という鮮烈デビューを果たしたことが話題となった。
その澤村のデビュー戦である9月8日の日本ハム戦は、澤村のあとに唐川、ハーマン、益田が登板し、その後の試合ではほとんど見られない、勝ちパターンの4人がそろい踏みという試合だった。そして、CS進出をかけた大一番の西武戦で再び4人がそろっての登板。あたりまえのように4人全員が無失点で締め、まさに今季のチームを象徴するような試合展開でロッテがCS進出を決めた。
ロッテがCSで対戦するのは、4年連続日本一を狙うソフトバンク。もちろん、総合力ではソフトバンクに軍配が上がる。ただ、ソフトバンクが唯一負け越しているのがロッテであり、ロッテからすればそこまでの苦手意識はないだろう。勝ちパターンの4投手が登板するような展開に持ち込み、勝ち試合をきっちり勝ち切ることができれば、それこそ「下克上」の再現もあり得るはずだ。
※数字は11月8日終了時点
文=清家茂樹(せいけ・しげき)