コラム 2020.12.31. 17:09

データで振り返る!メジャー日本人選手の2020年 ~前田健太 編~

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前田健太

キレと制球力が向上


 今季でメジャー5年目を迎えた前田健太。新天地・ツインズでは開幕から素晴らしい投球を続け、ア・リーグのサイヤング賞投票で2位に入る活躍を見せた。


 シーズン成績を改めて振り返ると、11試合に先発して6勝1敗。そして防御率は、メジャー自己ベストを大きく上回る2.70をマークした。

 なかでも圧巻だったのがWHIPと被打率。前者はメジャー全体で1位の0.75、後者もア・リーグ2位の.168を記録した。今季の前田は、最も“走者を許さない”投球をした投手の一人だったといえる。


 活躍した要因の一つが、球のキレと制球力が向上したこと。

 与四球1つ当たりの奪三振数を表すK/BBという指標があるが、前田が今季マークした数値は8.00。2017年の4.12を大きく上回り、自己ベストを更新した。

 球のキレが良かった証拠として、O-Swing%という指標も紹介したい。

 これはボールゾーンに投じた際の打者のスイング率を表す。今季の前田のO-Swing%の数値は40.8%。これは今季、規定投球回数に達した40投手中堂々の1位だった。投手目線でいえば、打者がボール球に手を出してくれた方が打ち取りやすいのは当然。前田はシーズンを通してボール球を振らせることを実践していた。


課題は“昼夜”の差?


 また、今季目立っていたのが、対右打者への投球だ。

 被打率は対左の.182に対し、対右は.149と大きな差はなかったが、K/BBは対左の4.56(41/9)に対し、39.00(39/1)。右打者にはシーズンを通して、1つしか四球を与えなかった。


 加えて、移籍による環境の変化も大活躍のきっかけになったとみられる。顕著だったのが、配球面での変化だ。

 チーム方針もあったのか、フォーシームが減少。その投球割合は、2年前の2018年から順に41.9%、33.7%、18.8%と激減している。

 その結果、フォーシームの被打率は前年の.280から今季は.086(35打数3安打)に大きく良化。変化球主体の配球のなかで、時折投げるフォーシームが威力を発揮していたということだろう。


 一方、今季は自己ベストの成績を残したとはいえ、もちろん課題も残っている。

 そのひとつが、デーゲームで結果を出せなかったことだ。ナイター時はメジャー通算41勝26敗で防御率3.51だが、デーゲーム時は12勝10敗で防御率4.40。今季はナイター時の5勝0敗・防御率2.01に対し、デーゲームでは1勝1敗・防御率4.09。来季はデーゲームでも結果を残したい。

 今季は惜しくもサイヤング賞を受賞できなかったが、来季はエースとしてツインズを高みに導けるだろうか。


文=八木遊(やぎ・ゆう)


ダルビッシュ有

ポジション:投手
投打:右投右打
生年月日:1988年4月11日(32歳)
身長・体重:185センチ・84キロ
出身地:大阪府

<今季成績>
登板:11試合
投球回:66.2回
防御率:2.70
勝敗:6勝1敗
奪三振数:80個
奪三振率:10.80
与四死球:10個
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