コラム 2021.02.01. 07:09

東北に再び注目の剛腕!ノースアジア大明桜・風間球打にスカウト陣が熱視線

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ノースアジア大明桜・風間球打投手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

最速150キロ!東北No.1の高校生有望株


 コロナ禍に揺れた2020年が終わり、新たな年がスタート。そんな中で2021年も年明け早々から「緊急事態宣言」が発出されるなど、まだまだ予断を許さない状況が続いているが、時計の針は止まってはくれない。ドラフト戦線は既に動き始めている。

 プロアマ野球研究所では、今年も引き続きドラフト候補を取り上げ、その実力を分析してご紹介していきたい。今回は、東北を代表する“本格派右腕”を取り上げる。


▼ 風間球打(ノースアジア大明桜)
・投手
・185センチ/80キロ
・右投右打

<主な球種と球速帯>
ストレート:141~150キロ
スライダー:120~125キロ
フォーク:126~130キロ

☆クイックモーションでの投球タイム:1.16秒


秋田の“投手王国”が誇る新エース


 今年は高校生投手が豊作と言われているが、なかでも東北でNo.1の呼び声高いのが、ノースアジア大明桜のエース・風間球打だ。

 そのピッチングを初めて見たのは、2019年春の東北大会の学法石川戦。前々日の初戦でも先発で3回を投げていたこともあってか、この日はわずか1回を投げて1点を失ったところで降板となったが、堂々としたマウンドさばきは1年生らしからぬものがあり、長身から投げ下ろすボールの角度は強く印象に残っている。ちなみに、この時の最速は136キロだったが、1年春にしては上々の数字と言えるだろう。


 そんな風間の名前が全国に広まることになったのは、昨年夏の秋田県独自大会での活躍からだ。背番号9をつけて主にライトを守っていたが、3回戦の秋田西戦では149キロ、そして準々決勝の秋田修英戦では大台の150キロをマークし、一躍2021年のドラフト候補として注目を浴びるようになったのだ。

 風間の成長ぶりを実際に目の当たりにしたのは、8月に行われた東北独自大会でのことである。ノースアジア大明桜は3年生にも佐々木湧生・橘高康太・長尾光という140キロを超える好投手を揃えていたが、初戦の仙台育英戦の先発を任されたのは風間だった。このことからも風間のポテンシャルの高さがよくうかがえる。


 風間は仙台育英の強力打線を相手に好投。初回、楽天から5位指名を受けた4番の入江大樹に先制の適時二塁打を浴びたものの、その後は安定したピッチングを披露。最終的には6回を投げてヒットは入江に打たれた1本のみ。7奪三振で1失点としっかり試合を作って見せたのだ。

 試合は延長10回タイブレークの末に敗れたものの、ノースアジア大明桜の3年生トリオと入江を目当てに視察に訪れていたスカウト陣からも、最も熱を帯びて名前が聞かれたのは風間だった。


角度のあるボールを投げ込む


 1年春の時と比べても一回り体が大きくなり、さらに手足が長く姿勢も良いため、マウンド上での姿はひと際大きく見える。その長いリーチを真上から振り下ろすことができるため、ボールの角度としては190センチ以上ある投手のような錯覚すら覚えた。

 仙台育英戦での最速は147キロと自己記録には及ばなかったものの、コンスタントに145キロ前後のスピードをマーク。さらに、立ち上がりから高めに浮くことなく、しっかりとボールを抑え込めるというのも大きい。


 立ち上がりはやや制球に苦しんだ変化球も徐々に決まるようになり、左打者の膝元に決まる縦のスライダーはストレートと見分けがつかず、空振りを奪える必殺のボールだった。

 体の使い方が横に振れることがなく、ストレート・変化球ともに左右のコントロールが大きくぶれないというのも得難い長所である。


野手としてもセンス抜群


 また、この日は先発ということで6番を打っていたが、背番号9でライトを任されていることからも分かるように、野手としてのセンスも高い。そのため、牽制やクイックなど投げる以外のプレーにも非凡なところを感じた。

 中盤から少しスピードが落ちたように、スタミナ面はまだ不足しているように見えたが、チーム内に好投手が多く、無理に使われなかったという意味ではプラス面も大きいだろう。


 秋の秋田県大会では、初戦で延長13回の激闘の末に敗れたため、早々にセンバツ出場は絶望となったが、2年時点の実力、そして潜在能力の高さは間違いなく全国でも指折りのものがある。

 秋の悔しさをバネに、春にはさらにスケールアップした投球を見せてくれることを期待したい。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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