『B魂』第14回・どうなる!? 勝利の方程式
プロ野球の春季キャンプが2月1日からいよいよスタートする。オリックスは例年通り宮崎・宮崎市清武総合運動公園で春季キャンプを行うが、今年はA〜Cの3組に分けられ、A組が一軍、B組が二軍、C組は大阪・舞洲での調整を経て、2月16日から宮崎キャンプに合流する形となっている。
今回は昨年、6回、7回、さらには外国人枠の関係でヒギンス、またはディクソンが使えない試合で、踏ん張りが効かなかったリリーバーについて考えてみたい。
まず、昨年まで2年連続でクローザーを務めたディクソンに関しては、依然として来日の目処が立っていない。チーム事情によっては先発に再転向する可能性も考えられるが、その場合は昨年のセットアッパー、ヒギンスがクローザーの最有力候補になるだろう。
ヒギンスは既に来日しており、2月16日から宮崎の春季キャンプに合流する。このヒギンスとクローザー争いを演じる可能性があるのが、2019年に育成選手ながらファームでセーブ王となり、昨年支配下登録された24歳の右腕・漆原大晟だろう。
中嶋聡新監督は、二軍監督時代に漆原の適正を見抜き、昨年は一軍でも「腕振って思い切っていくタイプなので自信を持っていかせた」と、重要な場面で投げさせてきた。本人も課題に挙げている「左打者のインコース」に対する精度が高まれば、ヒギンスと共に終盤の2回を任される存在になってもおかしくはない。
今年、オリックスに所属する外国籍選手は5名。投手2人(ディクソン、ヒギンス)、野手3名(モヤ 、ジョーンズ、ロメロ)となっている。昨年同様、今季もコロナ禍の特例で一軍には5選手を登録できるが、実際に試合で起用できるのは4選手だ。ディクソンが後ろに入り、野手3名が毎試合起用できる状態だった場合、投手2人はローテーションされることも考えられる。そういった状況を考えても、後ろを任せられる投手の頭数が必要なことは明白だ。
A組スタートの中では、齋藤綱記、育成から支配下に復帰した黒木優太、吉田凌あたりが『勝利の方程式』に入ってくると面白い。ここにB組スタートの吉田一将、海田智行、そして舞洲で調整している『8回の男』奪還を目指す澤田圭佑といった実績組が競争に加われば、層はかなり厚くなる。
どうしても注目度が低くなりがちな中継ぎ陣だが、試合における重要度の高さはご存知の通り。今のところ現地での観戦は叶いそうもないが、各チャンネルで放送・配信される練習風景を見ながら、『勝利の方程式』について考えてみるのも悪くないのではないだろうか。
文=どら増田