コラム 2021.02.20. 07:09

アクシデントをチャンスに変えて…激化する虎のローテサバイバルを勝ち抜くのは誰だ

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前指揮官からも大きな期待を受けていた5年目右腕にチャンス到来…? (C) Kyodo News

「2つ」のイスを巡るバトル…


 ひとつのアクシデントが、競争をさらに激化させた。

 開幕ローテ入り有力だった左腕の髙橋遥人が、16日の楽天戦に登板した際に右脇腹を痛めて筋挫傷と診断。全治は未定ながら別メニュー調整を強いられ、開幕一軍入りは極めて厳しい状況となってしまった。

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 キャリアで経験のないシーズン通してのフル稼働に強い意欲を見せていただけに、本人の心情を思えば辛い。チームにとっても昨年、巨人から14奪三振でプロ初完投を飾った有望株の離脱は痛恨だろう。

 ただ、裏を返せば、埋まりかけていたローテの座にひとつ空きができたことになる。当落選上にいる若手先発投手が目の色を変えていることは間違いない。

 現状では西勇輝、青柳晃洋、秋山拓巳、チェン・ウェインが当確と見られ、6人制を敷くなら残り2枠か…。仮に髙橋が万全だったら1枠しか空いておらず、先発陣がリーグ屈指であることを物語る。


指揮官も絶賛する5年目右腕


 早速、結果を出したのは5年目右腕の小野泰己だ。

 18日のDeNA戦。4番手でマウンドに上がると、2回を1安打、無失点の好投。キャンプ序盤は制球が安定せず、登板した2試合でいずれも失点していたが、ブルペンでフォームを修正。以前より脱力してしなやかに腕を振ることで、直球・変化球ともにゾーン付近に集まり、球威やキレで打者をねじ伏せた。

 前監督の金本知憲氏もその直球に惚れ込んだ逸材で、1年目から2勝を挙げるなど躍進。しかし、ここ2年は未勝利に終わり、昨年は二軍でも打ち込まれる場面が目立っていた。

 矢野燿大監督も、キャンプ序盤からブルペンで投げ終わった右腕と長い間、話し込むなど期待をかけている。DeNA戦後にも、「小さくでいいから小野を書いてくれよ。ここ何年かあいつも苦しい。ボールの内容も良いし、抑え方も良いし、ああいうので1個1個自信をつけてくれたらいい。小野が一番光っていた」と変わり身を見せた投球を絶賛した。


“選ばれし6人”に名を連ねるのは…?


 髙橋と同じ左腕で言えば、ドラフト2位の伊藤将司の巻き返しに注目だ。

 ここまで実戦登板は紅白戦の1度だけ。ブルペン投球に時間をかけ、じっくりと腕を振ってきた。グラブをつけた右手を大きく掲げ、出所の見づらいフォームは大きな武器。金村暁投手コーチも「しっかり投げ込みまでいければ面白いピッチャーだと思う」とうなずいた。次クール以降に久々の実戦登板が予想され、ダークホース的な存在になる。


 その他の面々も状態は良い。ワインドアップに挑戦している藤浪晋太郎は、ストライクを取るのに四苦八苦した姿とは決別し、変化球の精度アップに多くの時間を費やしている。21日の広島戦で予定されている今春初の対外試合登板が待ち遠しい。

 勢いで言えば、斎藤友貴哉からも目が離せない。力強い直球と鋭く曲がり落ちるスライダーの強力コンボで、昨年二軍ではまさに“無双”状態。小野・藤浪との同世代トリオでしのぎを削る構図になりそうだ。


 キャンプも終盤に入り、若手に与えられるチャンスは今後、一気に減少していく。“選ばれし6人”に名を連ねるのは、一体誰だ──。


文=チャリコ遠藤(スポーツニッポン・タイガース担当)
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