パは6人中5人が20代とフレッシュな顔ぶれ
2021年シーズンの開幕投手がほぼ出そろった。3月15日時点で開幕投手が未発表となっているのはDeNAのみ。DeNAの三浦大輔監督は、開幕投手本人にはその旨を伝えており、3月20日の出陣式で発表することを明かしている。
その候補として名前が挙がっているのが、大貫晋一、濵口遥大、平良拳太郎の3人だ。誰であっても開幕投手に抜擢されるのは「初」。すると、DeNAも含めて12球団のうち7球団の開幕投手がはじめてその大役を務めることになる。
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▼ 2021年シーズン開幕投手
巨人:菅野智之(4年連続7度目)
阪神:藤浪晋太郎(初)
中日:福谷浩司(初)
DeNA:未発表
広島:大瀬良大地(3年連続3度目)
ヤクルト:小川泰弘(2年ぶり5度目)
<パ・リーグ>
ソフトバンク:石川柊太(初)
ロッテ:二木康太(初)
西武:髙橋光成(初)
楽天:涌井秀章(3年ぶり10度目)
日本ハム:上沢直之(2年ぶり2度目)
オリックス:山本由伸(初)
昨季を振り返ると、はじめて開幕投手を務めたのは東浜巨(ソフトバンク)とニール(西武)のふたりのみだった。その2球団は、昨季に続いて今季もはじめて開幕投手を務める投手を開幕戦のマウンドに送り出す。
あらためて各球団の開幕投手を見てみると、じつにフレッシュな顔ぶれだ。とくにパ・リーグは、ベテランの域に入った涌井秀章(楽天)を除く5投手が20代。山本由伸(オリックス)に至ってはまだ22歳だ。各球団の投手陣がそろって世代交代の時期に差し掛かっていることがうかがえる。
初の大舞台にも物おじせず実力を発揮する投手が目立つ
では、彼らの「先輩」たちの「初開幕戦」はどんな具合だったのだろうか。開幕戦はしばしば、「“143分の1”ではない」とも言われるだけに、大きなプレッシャーを感じる舞台でもある。今季の開幕投手のなかで、菅野智之(巨人)ら「初」ではない5人の初開幕投手を振り返ってみたい。
▼ 菅野智之(巨人)
2014年3月28日阪神戦/7回4失点(自責0)勝利投手
▼ 大瀬良大地(広島)
2019年3月29日巨人戦/8回無失点(自責0)勝利投手
▼ 小川泰弘(ヤクルト)
2014年3月28日DeNA戦/6回1失点(自責1)勝利投手
▼ 涌井秀章(当時西武)
2008年3月20日オリックス戦/8回2失点(自責1)敗戦投手
▼ 上沢直之(日本ハム)
2019年3月29日オリックス戦/6回3失点(自責3)勝敗つかず
こうして振り返ると、はじめての開幕戦にもかかわらず、ほとんどの投手が好投している。セ・リーグの3人はいずれも初開幕戦で勝利を挙げており、自責点は小川泰弘(ヤクルト)が喫した1点のみ。5人のなかでただひとり敗戦投手となった涌井(当時西武)も8回を投げて自責点はわずかに「1」と、白星がついてもおかしくない投球を披露している。さすがに開幕投手に抜擢されるだけあって、大舞台であっても実力をきっちり発揮している投手が多いようだ。
もちろん個人差はあるだろうが、彼らと同じように、今季はじめて開幕戦のマウンドに立つ投手たちにも、シーズン初戦から締まった好試合をつくってくれることを期待したい。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)