コラム 2021.04.20. 16:13

飛躍が期待される2018年ドラフト組 「小園世代」8人の現在地

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広島2018年ドラフト組

これからのカープを担う男たち


 3年前にまいた種は、花を咲かせる一歩手前で、もがいている。


 2018年、広島は巨人に次いでセ・リーグ2球団目となるリーグ3連覇を達成した。当時は会沢、菊池涼、田中広、大瀬良らが30歳前後と中心選手の多くが全盛期を迎えようとしていた。




 球団は同年のドラフト会議で次世代の育成に重きを置いた。

 高卒ナンバー1遊撃手と評価した小園海斗を4球団競合の末にドラフト1位で獲得し、育成を含む計8人を指名。

 小園は高卒1年目の19年から出場58試合、4本塁打と活躍し、堂々と同世代の先頭を走った。昨季こそ1軍出場3試合に終わったものの、今季は2軍で持ち前の打力を発揮し、昇格に備えて万全の状態を維持している。



 知名度抜群の小園の存在に触発されるかのように、同期入団の選手も次々と頭角を現した。

 入団2年目だった昨季までに同期8人のうち7人が一軍デビューを済ませている。

 そこで、今季の「ネクストブレイク候補」として、ドラ1に追いつき追い越そうと切磋琢磨する「小園世代」の現在地を総ざらいしたい。


18年ドラフト2位 #43 島内颯太郎(24)| 投手 | 右投右打




 155キロ前後の剛球を武器に勝負する救援右腕。19年25試合、20年38試合と着実に経験を積み、昨季の奪三振率はリーグトップクラスの「11.47」を誇った。


 開幕を一軍で迎えながら、現在は二軍調整中。不振の主な原因は不安定な制球にある。

 直球はすでに一級品とあって、フォーク、カットボールでカウントを整えられるかがカギを握る。気持ちの強さも身につけば、勝ち継投入りも十分に期待できる。


18年ドラフト3位 #44 林晃汰(20)| 内野手 | 右投左打




 智弁和歌山高校で通算49本塁打を放った未来の大砲。甲子園で68勝を挙げた名将・高嶋仁前監督から「48年間の指導歴であれほど飛ばす選手は見たことがない」とまで言わしめた。


 昨季に一軍デビューをかなえてプロ初安打となる二塁打を放った。ただし、飛躍を期した今季は、持ち前の打力を披露できずに思い悩む。

 今季の二軍打率は1割台に低迷。高卒1年目から座り続けてきた二軍の4番を開幕早々に外された。非凡な長打力が生かすヒントは、不振を乗り越えた先にあるかもしれない。


18年ドラフト4位 #56 中神拓都(20)| 内野手 | 右投右打




 同期入団でただひとり一軍を経験していないのが中神である。

 市岐阜商では通算46本塁打を放った中距離タイプ。内野の全ポジションを守って貪欲に出場機会を伺っている。

 今年1月は、堂林、鈴木誠らが沖縄県内で行った合同自主トレに志願の初参加。チームを代表する右打者から極意を吸収して、逆襲への今季に臨んでいる。

 常に声を張り上げる元気印で、その努力は誰もが認めるところ。同期も才能開花を待ち望んでいる。


18年ドラフト5位 #57 田中法彦(20)| 投手 | 右投右打




 スライダー、カーブ、スプリット、チェンジアップなど多彩な変化球を操る救援右腕。昨季は二軍の抑えを務めて、リーグ最多の12セーブを挙げた。


 昨季シーズン終盤には一軍に初昇格し、2試合2イニングを無失点と今季への経験も積んだ。

 高校時代に最速152キロを計測しながら、現在は140キロ台前半。変化球は鋭さが増してきただけに、一軍定着には球威アップが求められる。

 今春は一軍キャンプでスタートするも、実戦で四球を連発するなどアピールに失敗した。再び二軍で安定した成績を残せば、一軍から声がかかるのもそう遠くはない。


18年ドラフト6位 #49 正随優弥(25)| 外野手 | 右投右打




 昨季プロ初安打初本塁打をかなえた天性の飛距離が魅力。

 開幕は二軍で迎えたものの、二軍で打率3割超を維持。課題の確実性を克服しつつあり、二軍戦では4番で起用されて評価を上げている。


 日本ハム・中田翔が中学時代の広島鯉城シニア、大阪桐蔭で7学年上の先輩。オフ期間には2年連続で合同自主トレを行った。

 シーズン中も打撃について連絡を取り合う間柄。打撃練習で際立つ飛距離を実戦で最大限に生かす術を見つけたい。


18年ドラフト7位 #69 羽月隆太郎(20)| 内野手 | 右投左打




 伸びしろ重視で指名された7位指名が急成長を見せている。

 俊足巧打を生かして、二軍打率は1年目から2年連続で3割超え。昨季は1軍17試合に出場(先発10試合)するなど一定の評価を勝ち取った。


 出場機会を与えたい首脳陣の意向で、3月中旬からは外野にも挑戦している。

 開幕一軍を逃しながら4月上旬に初昇格すると、同11日の巨人戦では「8番・中堅」で今季初先発。

 「チャンスを与えていただいたので、それに応えないといけない」と新ポジションでも早速存在感を見せ始めている。


18年育成ドラフト1位 #59 大盛穂(24)| 外野手 | 右投左打




 18年入団で、今季開幕から一軍同行を続けているのが育成出身の大盛である。

 「足の速さ」「肩の強さ」はチーム随一で、代走や守備固めとして重用されている。ただし、スペシャリストとして起用だけでなく、定位置を勝ち取れるだけのポテンシャルも兼ね備える。


 昨季は出場73試合で打率.259と上々の結果を残した。

 「守備と走塁は高いレベルを求められている。打撃がついてくれば、スタメンも見えてくると思う」

 昨季148打席で50三振と課題は明白。粘り強さが出てくれば、定位置奪取の道が開けてくる。


 このように18年に入団した選手は、それぞれの個性を生かしてアピールを続けている。ただ、一定の存在感は見せながらも、本格的に才能を開花させた選手はまだいない。頭一つ抜け出すのは、小園かそれとも――。今季、「小園世代」の誰がブレイクしても不思議ではない。


文=河合洋介(スポーツニッポン・カープ担当)

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