コラム 2021.06.28. 08:08

激戦区・愛知のプロ注目右腕 享栄・竹山日向がドラフト戦線に浮上!

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享栄・竹山日向選手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

最速148キロを誇る右腕


 徐々に夏の到来を予感させる気候になってきた今日この頃…。

 日本の夏と言えば、高校野球の夏。各地で甲子園出場をかけた地方予選の組み合わせが発表されている。




 2年ぶりの開催となった春の選抜高校野球は好投手たちの競演が話題に。中でも残したインパクトの大きさで1、2を争う存在と言えるのが、畔柳亨丞(中京大中京)だろう。

 初戦の専大松戸戦で12奪三振完封という最高の甲子園デビューを果たすと、その後の試合でも好投。準決勝では右肘の違和感から降板となったが、4試合・27回1/3を投げて自責点1、31奪三振という圧巻のピッチングを見せた。

 ストレートは出場した投手でNo.1となる最速149キロをマークしたが、その数字以上に威力が感じられ、肘の状態に問題がなければ上位候補の1人となることは間違いない。



 しかし、その畔柳を擁する中京大中京とて、夏の甲子園出場は簡単ではない。同じ愛知県内には、ライバル校にもプロからの注目度が高い投手が存在しているのだ。

 今回はそんな激戦区・愛知で畔柳としのぎを削る本格派右腕、享栄の竹山日向をご紹介したい。


▼ 竹山日向(享栄)
・投手
・181センチ/80キロ
・右投右打

<主な球種と球速帯>
ストレート:141~148キロ
カーブ:110~115キロ
スライダー:125~128キロ
フォーク:126~130キロ
チェンジアップ:116~118キロ

<クイックモーションでの投球タイム>
1.15秒


“高校No.1投手”市和歌山・小園健太に投げ勝つ


 下級生の頃から、愛知県内では本格派右腕として評判となっていた竹山。筆者が初めてそのピッチングを見たのは、昨年6月に行われた帝京大可児との練習試合だった。

 昨年のドラフト会議で中日から5位指名を受けた加藤翼との投げ合いとなったが、7回途中まで投げて自責点1、6奪三振の好投。チームを勝利に導いている。ストレートの最速はその時点で144キロをマークしており、まだまだ速くなりそうな雰囲気があった。


 昨年の秋は準々決勝で東邦に敗れて選抜出場を逃したが、冬の間にさらにスピードアップ。3月に行われた練習試合では、高校No.1の呼び声高い小園健太(市和歌山)にも投げ勝っている。

 この春の東海大会では、2回戦の中京(岐阜)戦に先発。大会前に脚を痛め、その回復途上ということもあって3回で降板となったものの、前日に11点を叩き出した強力打線を相手に被安打1の無失点。さすがのピッチングを見せた。


スカウト陣も高評価


 この日の最速は143キロと驚くような数字ではなかったが、昨年に見た時と比べて上背も体つきも一回り大きくなっており、少し力を抜いたような腕の振りでもコンスタントに140キロ台をマーク。

 加減し過ぎると少し押し出すようなリリースになって、時折高めに浮くのは気になったが、出力がアップしていることは間違いないだろう。脚の状態が万全であれば、150キロ近いスピードが出そうな雰囲気は十分にあった。

 変化球はスライダーとフォークが中心となるが、どちらのボールも130キロ近いスピードがあり、途中までストレートと見分けがつかないため空振りをとることができる。この日奪った5つの三振のうち4つは空振りだったが、そのことも変化球のレベルの高さを物語っていると言えるだろう。


 走者を背負っても落ち着いており、牽制やクイック、フィールディングなどの投げる以外のプレーも非常に安定している。

 また、フォームの無駄な動きがないため、セットポジションになってもスピード・コントロールともに落ちることがないというのも大きな長所である。


 チームには肥田優心、菊田翔友など他にも好投手が控えているが、ポテンシャルの高さではやはり竹山が一番というスカウトの声は多い。

 脚の状態が万全であれば、この夏にはさらに注目を集める存在となることは間違いないだろう。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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