コラム 2021.08.31. 07:07

スターがまさかの“チョンボ”…?登場人物も豪華な日本ハムの「3大珍プレー」

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多くのファンを魅了したスーパースター・新庄剛志 (C) Kyodo News

新庄剛志「幻の逆転満塁サヨナラ弾」


 プロ野球の長い歴史の中で起こった「珍事件」を球団別にご紹介していくこの企画。

 今回は北海道日本ハムファイターズ編だ。




 日本ハムといえば、近年は「グラウンドのエンターテイナー」こと杉谷拳士の珍プレーやパフォーマンスが人気を博している。

 だが、それ以前にも思わず笑いを呼ぶ“伝説の珍プレー”が数多く存在したのをご存知だろうか。

 まずは、劇的なサヨナラ満塁本塁打が一転、シングルヒットのサヨナラタイムリーに格下げされる珍事が起きたのが、2004年9月20日のダイエー戦だ。



 9-12とリードされた日本ハムは9回裏無死一・二塁からフェルナンド・セギノールとシャーマン・オバンドーの連続二塁打で一気に同点。さらに犠打と2つの敬遠で二死満塁としたあと、1番・新庄剛志が三瀬幸司の初球、143キロ直球を左中間席に叩き込んだ。

 まさに“新庄劇場”とも言うべき感動的な幕切れに、ナインもスタンドのファンも大喜び。だが、直後にとんでもないどんでん返しが待っていた…。

 一塁ベースを回った新庄は、一二塁間で一塁走者の田中幸雄に抱きつかれ、クルリと1回転したあと、そのまま田中を置き去りにして走り出してしまう。

 野球規則5.09bに定められた「走者追い越し」で当然アウト。せめてもの救いは、その前に三塁走者・奈良原浩がサヨナラのホームを踏んでいたことだった。

 新庄が一塁に到達していたので、記録上単打の扱いとなって打点は1。「16-12」になるはずが、一転「13-12」の1点差サヨナラ勝ちに。“幻の逆転満塁サヨナラ本塁打”は史上初の珍事だった。


 原因をつくった田中は「二塁を回ったら、(打球がスタンドに)入ったのが見えて、後ろを見たら新庄がいたので、もういいなと思って、少し戻って抱きついてしまいました。舞い上がっちゃって…。申し訳ないことをしちゃったな」と反省しきり。

 しかし、新庄は「いいんです。何言ってるんですか。勝ったんだから」とまったく気にせず、お立ち台に上がると、「今日のヒーローは僕じゃありません…。(観客の)みんなです。ヒーローになりたい、ヒーローになりたい。それだけでした」と絶叫。大拍手を浴びた。


 実はこの試合、オリックス・近鉄の合併に端を発した球界再編問題をめぐり、9月18~19日に従来の2リーグ制存続を望む選手会による初のストライキが行われた直後の試合だった。

 新庄は選手会の行動を支持してくれたファンへの感謝を込めて、身をもってプロ野球の楽しさと魅力をアピールしたのだ。


大谷翔平「走塁放棄未遂事件」


 走者追い越しの次は、走塁放棄の話である。あわや走塁放棄でアウトというチョンボを犯しそうになったのが、日本ハム入団3年目の大谷翔平(現エンゼルス)だ。

 2015年7月28日のオリックス戦。投手としては前半戦終了時点で両リーグトップの11勝と絶好調ながら、打撃では打率.185に3本塁打と不振に陥った大谷は、7月7日のロッテ戦を最後にスタメン落ちが続いていた。

 この日もベンチスタートとなり、1点を追う6回二死、ようやく「代打・大谷」が告げられる。これが後半戦初打席である。

 だが、一塁が空いていたのが不運…。この回から先発・金子千尋をリリーフした比嘉幹貴は、勝負することなく大谷を歩かせた。

 その直後、栗山英樹監督が代走に岡大海を起用すると、大谷は「これでお役御免」とばかりに一塁ベースを踏むことなく、さっさとベンチに引き揚げてしまう。これは走塁放棄になる。

 オリックス・福良淳一監督代行も「アウトではないか」とアピールしたが、嶋田哲也球審は「インプレー中なら走塁放棄となりアウトだが、投手交代により、ボールデッドの状態になったのでアウトにはならない」と説明。敬遠直後、投手が比嘉から岸田護に代わったことが幸いし、大谷は命拾いした。

 このやり取りのあと、大谷はベンチの指示で慌ててグラウンドに駆け戻り、一塁ベースをしっかりと踏んだ。一度引っ込んだ大谷がまた出てきたので、地元・オリックスファンも「一体何やねん?」とあっけに取られていた。


西川遥輝は“ミスター珍プレー”…?


 大谷の走塁放棄未遂事件からちょうど1カ月後…。走者のときに、まさかのうっかりミスでアウトになってしまったのが西川遥輝だ。

 2015年8月28日のソフトバンク戦。6-1とリードの日本ハムは6回二死から西川が四球で出塁。この日3打数2安打と当たっている1番・陽岱綱に打順が回ってきた。

 陽はカウント1ボール・1ストライクから巽真悟の3球目をフルスイングしたが、空振り。勢い余ってクルッと1回転するほどのメチャ振りに「ちょっと力んだかな?」と苦笑いした陽は、ゆっくりとマウンド方向に向き直り、再び相対しようとしたが、直後、ギョッとした表情で固まってしまった。

 なんと2ストライクにもかかわらず、三振で3アウトチェンジと勘違いした西川が、一二塁間に飛び出したまま立ち止まっているではないか。

 間もなくチョンボに気づいた西川は慌てて帰塁しようとしたが、捕手・鶴岡慎也の一塁送球であえなくタッチアウト(記録はけん制死)。

 ちなみに西川は、7月20日の楽天戦の6回一死一塁でギャビー・サンチェスの左飛を捕球した際にも、3アウトチェンジと勘違いしてボールを左翼席に投げ入れるチョンボを犯したばかり。

 1カ月余りのうちに2度もアウトカウントを間違えた“ミスター珍プレー”は、翌日の新聞で「またボーンヘッド」の見出しで報じられた。


文=久保田龍雄(くぼた・たつお)

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