コラム 2021.09.12. 08:08

189センチの大型右腕 八戸西・福島蓮が見せた“大器の片鱗”

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八戸西・福島蓮投手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

プロ志望届も提出


 史上初の“智弁決戦”が大きな話題となり、智弁和歌山の優勝で幕を閉じた『第103回全国高等学校野球選手権大会』。

 夏の熱闘が終わると、カレンダーも9月へ。早いもので、もう1カ月もすれば、アマチュア選手たちの運命を決するドラフト会議を迎えることになる。




 この夏の甲子園でも多くのスター候補が誕生したが、ドラフト会議に向けてプロから注目を浴びている球児は甲子園出場者だけではない。

 プロアマ野球研究所では、残念ながら地方予選で涙を呑んだ有力選手も紹介していきたい。

 今回は、今年のセンバツ高校野球でも大器の片鱗を見せていた東北の大型右腕の成長ぶりをレポートする。



▼ 福島 蓮(八戸西)
・投手
・189センチ/72キロ
・右投右打

<主な球種と球速帯>
ストレート:135~143キロ
カーブ:106~113キロ
スライダー:120~124キロ
フォーク:124~126キロ

☆クイックモーションでの投球タイム:1.29秒


189センチの“角度”が魅力


 前回取り上げた黒田将矢(八戸工大一)のコラムにて、八戸西との試合では全12球団・20人を超えるスカウトがスタンドに詰めかけていたと紹介したが、黒田とともに熱い視線を集めていたのが八戸西のエース福島蓮だ。


 1年の夏からマウンドを経験すると、エースとなった昨年秋は青森県大会で準優勝。続く東北大会でも福島商を破って1勝をあげ、21世紀枠で選抜高校野球出場を果たした。

 センバツでは初戦で具志川商を相手に5回を投げて5失点で負け投手となったものの、5奪三振をマークして存在感を見せている。


 あの春から約4カ月…。この日の福島は、さらに成長した姿を見せてくれた。

 全体的に重心が高く、黒田に比べると少しギクシャクした感じは否めないフォームだが、ギリギリまで左肩が開かないため、打者からはボールがなかなか見えない。

 また、189センチという長身で高い位置から腕が振れるため、ボールの角度も申し分なかった。


“ドロップ”のようなボールが武器


 この日の最速は142キロ。近年の高校生投手の中では目立つような数字ではないが、昨年の秋や春のセンバツの時と比べて、ボールの勢いは格段にアップしているように見えた。

 また、そのストレートはしっかり腕を振って放たれ、右打者にも左打者にも内角の胸元に狙って投げられるというのは得難い長所である。

 まだまだ体つきは細身だが、これだけの長身で内角を攻められると、打者は踏み込むのが難しくなるのは間違いない。外一辺倒にしか来ない150キロよりも、はるかに効果的と言えるだろう。


 変化球で面白いのは100キロ台の緩いカーブだ。

 それほど投げる割合が高いわけではないが、所々でストライクをとるボールとして使い、打者の目線を変えるだけでなくストレートを速く見せる効果もある。最近では投げる投手も少ない、昔で言う“ドロップ”のようなボールの軌道も大きな魅力である。


 さらに、福島の魅力は投げる以外のプレーにもある。

 高校生の長身投手というと、フィールディングや牽制などに苦労していることが多い一方で、福島はそのようなことは全くなく、むしろ素早い動きやスナップスローの上手さが際立っていた。

 第4打席で送りバントを決めた時も、ボールが転がってからスタートしたにもかかわらず、一塁到達タイムは4.19秒をマークしている。

 かなりの脚の長さがあるにもかかわらずピッチの速さもあり、高い脚力と運動能力があることも十分にうかがえた。


 高校では、とにかく故障に気をつけて慎重に体作りとフォーム作りに取り組んできたとのこと。その甲斐もあって徐々に大きな才能が開花しつつある。

 体重はセンバツの時点で72キロと少なく、これから鍛えていく必要はもちろんある。それでも、その上背に見合うだけの筋力が身についた時には、驚くようなボールを投げる可能性は高い。

 その素質を高く評価している球団も少なくないはずだ。


☆記事提供:プロアマ野球研究所



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