コラム 2021.09.17. 07:46

秋は大学野球!ドラフトに向けて評価を上げるのは誰だ…?【野手編】

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【注目のドラフト候補】大学生・野手編

残された時間はわずか…


 9月も折り返し地点を過ぎ、“運命の一日”まで1カ月を切った。

 今年は10月11日(月)に開催されるプロ野球のドラフト会議。先月までは高校生の躍動が大きな注目を集めたアマチュア球界だが、9月はその注目が大学へと移る。




 北海道や東北では8月中から開幕しているところもある、大学野球の秋のリーグ戦。

 今年はドラフト会議の開催日が例年と比べて早いため、プロ入りを狙う大学生のドラフト候補にとってアピールのチャンスはそう多くない。

 ということで、ここからは1カ月後を盛り上げそうな大学生の注目ドラフト候補にフォーカス。今回は「野手」を紹介していく。



中央大・古賀と慶応大・正木が上位候補


 昨年のドラフト会議では、佐藤輝明(近畿大→阪神1位)に4球団が競合。鳴り物入りでプロに入った男は、前半戦のうちに20本塁打を記録するなど、その評判に違わぬ活躍で話題を集めた。

 今年は昨年の佐藤のような、現時点で目玉とされる大学生野手は不在。そんな中、上位に入る可能性が高い野手と言うと、古賀悠斗(中央大/捕手)と正木智也(慶応大/一塁手兼外野手)である。


 まずは中央大の古賀。福岡大大濠高時代から侍ジャパンU-18代表に選ばれ、進学後も1年秋からレギュラーを務める大学No.1捕手だ。地肩の強さに加え、フットワークやキャッチングも高いレベルにあり、大舞台での経験も申し分ない。

 課題だった打撃も見違えるようにスイングが力強くなり、春のリーグ戦では打率.341に3本塁打と見事な結果を残している。早くから一軍で使える捕手を求める球団が、上位で指名する可能性もありそうだ。


 続いて、慶応大の正木は東京六大学を代表する右の長距離砲。春のリーグ戦で自己最多の4本塁打を放つと、その後の大学選手権でも2本の本塁打を叩き込み、チームを大学日本一に導いた。

 内角の速いボールに弱く、守備と走塁が目立たないという課題はあるが、ボールをとらえた時の飛距離は圧倒的。長打力が不足する球団にとっては、魅力的な選手といえるだろう。


阪神・佐藤輝明に近いタイプ?


 プロから需要の高いショートで注目を浴びているのが、関西の大学球界を代表する“強打の遊撃手”・野口智哉(関西大)だ。

 過去6シーズンで打率3割を5度もクリア。ベストナインも3度受賞している。大学通算本塁打は2本と少ないが、全身を使ったフルスイングは迫力十分。打球に角度をつけることを覚えれば、一気に本塁打を量産する可能性を秘める。

 また、今年は高校生・社会人にともに上位候補と見られるショートがいないため、野口の人気が相対的に高くなりそう。どこで名前が呼ばれるのか、この秋の最後のアピールも含めて注目が集まる。


 そして、冒頭でも触れたように佐藤輝明が1年目から阪神の主力選手として躍動しているが、今年の候補のなかで“最も佐藤に近いタイプ”として評価が高くなりそうなのが、梶原昂希(神奈川大・外野手)である。

 190センチ近い長身の大型外野手で、長打力と脚力を備えたスケールの大きさが魅力。バッティングの確実性と好不調の波が大きいという課題が残るが、春のリーグ戦では打率.362に3本塁打と結果を残してベストナインを獲得した。

 多少の粗さには目をつぶり、運動能力の高さと長打力を高く評価する球団が出ることも十分考えられるだろう。


他の候補も「多士済々」


 最後に、他の候補にも触れていきたい。捕手では、久保田拓真(関西大)、福永奨(国学院大)、古間木大登(東農大北海道オホーツク)が注目されている。

 久保田と古間木は強打タイプ、福永は強肩がそれぞれの魅力で、球団の需要に合わせて彼らに対する評価も変わりそうだ。


 貴重な右の強打者タイプをみると、ブライト健太(上武大/外野手)と鵜飼航丞(駒沢大/一塁手兼外野手)が面白い。

 ブライトは昨年までリーグ戦通算0安打だったが、春のリーグ戦でいきなりMVPを獲得して大ブレイク。続く大学選手権では、1位候補の隅田知一郎(西日本工大)から一発を放つなど、4試合で打率6割を超える大活躍を見せた。攻守に粗さは残るうえ、結果を残した時期の短さも気になるが、秋のリーグ戦で結果を残せば確実に評価は高くなるだろう。

 鵜飼は昨年の秋のリーグ戦と今年の春のリーグ戦で、それぞれ3本の本塁打を放った長距離砲だ。独特のタイミングのとり方で確実性に課題が残る一方、打球の速さと飛距離は目を見張るものがある。182センチ・100キロという巨漢でありながら、脚力と肩の強さもある。

 また、リードオフマンでは丸山和郁(明治大/外野手)、ユーティリティプレーヤーでは山城響(富士大/二塁手兼遊撃手兼外野手)なども、スカウト陣の注目を集めている選手だ。


 こうして注目の候補を並べると、まさに“多士済々”。今回、名前を挙げた選手たちの「最後のシーズン」のプレーぶりにぜひ注目してもらいたい。


☆記事提供:プロアマ野球研究所



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