佐々木朗先発ゲームを荻野がサヨナラ勝利に導く
10月23日、日本ハムからサヨナラ勝利を挙げたロッテがマジックを「4」とした。立役者は荻野貴司だ。同点の9回、相手の拙守もあって無死満塁となった場面で打席に入った荻野が杉浦稔大の直球をとらえた。詰まった当たりだったものの打球は一二塁間を抜け、三走・岡大海が決勝のホームを踏んだ。
この日の先発は佐々木朗希。6回4安打2失点で4勝目はお預けとなったが、初回から球速157キロを連発して毎回の11奪三振を記録するなど圧巻の投球を披露した。そして、佐々木の先発ゲームで「好相性」を見せているのが、サヨナラ打を放った荻野だ。以下は、佐々木の先発ゲームにおける荻野の打撃成績になる。
【佐々木朗先発ゲームでの荻野の打撃成績】
5月27日(対阪神) 4打数1安打1本塁打/1打点1得点
6月10日(対ヤクルト) 4打数1安打
6月24日(対ソフトバンク) 4打数1安打1死球/1得点1盗塁
7月9日(対日本ハム) 4打数0安打
8月15日(対オリックス) 4打数2安打
8月28日(対楽天) 4打数2安打1四球1本塁打/2打点1得点
9月10日(対楽天) 3打数0安打1四球/1打点1盗塁
10月7日(対楽天) 5打数1安打1本塁打/1打点1得点
10月14日(対オリックス) 5打数2安打
10月23日(対日本ハム) 5打数2安打/1打点1盗塁
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通算:打率.319(47打数15安打)3四死球4本塁打8打点6得点3盗塁
今季最終戦での先発登板が見込まれる佐々木朗
やはり、自軍の先発投手とも相性というものがあるのだろう。佐々木朗が先発した11試合のうち、荻野が無安打に終わったのはわずか2試合のみ。佐々木朗の一軍デビュー戦となった5月16日の対西武戦ではいきなりの「猛打賞」と1本塁打で佐々木朗を強力に援護した。
また、佐々木朗の先発ゲームにおける通算打率は、自身の今季打率を大きく上回る「.319(47打数15安打)」であり、荻野の今季10本塁打のうちじつに4本塁打が佐々木の先発ゲームで放ったものだ。
10月23日の試合に先立って佐々木の今後について井口資仁監督は「ふつうにいけばあと2回」と明言しており、チームの今季最終戦となる10月30日の対日本ハム戦での先発が有力視される。まれに見る混戦となっている今季、リーグV決定がその今季最終戦にまでもつれ込む可能性もある。その試合でも荻野が「好相性」を発揮できるか。若き将来のエースを生え抜き最年長のベテランが支える。
※数字は10月24日終了時点
文=清家茂樹(せいけ・しげき)