コラム 2022.01.31. 07:08

「センター・近本」以外は白紙…矢野阪神4年目の春は各所で競争が激化

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阪神・矢野監督 (C) Kyodo News

「第1クールからふるいにかける」


 濃密で熾烈なポジション争いが幕を開ける。

 阪神タイガースはあす2月1日、沖縄・宜野座村野球場でキャンプインを迎える。




 昨季は優勝争いを演じながら、レギュラーシーズンは惜しくも2位フィニッシュ。

 クライマックスシリーズでは3位・巨人を相手に苦杯を舐め、ファーストステージで敗退となった。

 若手主体のチームが目指すのは頂点だけ。悔しさをバネに、更なるレベルアップを図る。



 4年目の指揮となる矢野燿大監督は、不動のリードオフマンで中堅を守る近本光司以外のレギュラー白紙を強調。

 「もう(第1クールから)ふるいにかけるところがある。争うところにいる選手たちというのは今のタイガースには多い」と明言した。

 その言葉を裏付けるように、2月3日と5日にはシート打撃と紅白戦の文字。立て続けに実戦形式のメニューが組み込まれている。

 陣容はコロナ禍の感染対策もあり、宜野座でキャンプを張り始めた2003年以降では最少の36人。1日で立場が乱高下するスリル満点のサバイバルが繰り広げられそうだ。


“6つ目のイス”を巡る先発ローテ争い


 まずは先発陣から。

 昨季は最多勝・最高勝率の二冠に輝いた青柳晃洋を筆頭に、秋山拓巳と伊藤将司。2ケタ勝利を挙げた投手が3人もいた。

 加えて逆襲をかける西勇輝に、9勝を挙げて安定感の光るジョー・ガンケル。すでにローテーションの席は埋まりつつある。


 “6人目”として割って入りたいのが、10年目を迎える藤浪晋太郎だ。

 昨年12月の契約更改の場では、「自分のエゴ」と先発一本で勝負を懸けることを宣言。今オフは巨人・菅野智之に弟子入りした。課題の制球面さえ改善できれば、ライバルを突き放すポテンシャルを持つ。


 次代のエース候補として期待される3年目の及川雅貴も有力候補だ。

 高卒2年目の昨季一軍デビューを果たし、中継ぎで経験を積んだ。ヤクルト・奥川恭伸、ロッテ・佐々木朗希と同世代のプロスペクトの伸びしろは計り知れない。


 ほかにも、プロ1年目からウエスタン・リーグでタイトルを総ナメにした村上頌樹や、即戦力左腕コンビのドラフト2位・鈴木勇斗、3位の桐敷拓馬にもチャンスはある。


守護神が抜けたブルペン


 つづいてリリーフ。何と言っても、2年連続で最多セーブ獲得のロベルト・スアレスが抜けた穴は大きい。

 新外国人のカイル・ケラーが新守護神候補も、来日の見通しは不明で開幕に間に合うかは微妙。セットアッパーの岩崎優が9回を任されれば、勝ちパターンの7回、8回が空席という状況になる。


 アピールしたい選手と言えば、昨年の開幕時は7回を任されていた岩貞祐太。シーズン終盤に調子を崩してしまっただけに、今年は逆襲に燃えている。ほかにも、右腕では150キロ超えの直球を武器にする小川一平。昨季も44試合に登板した馬場皐輔といったところは有力候補だ。

 また、新顔では初の一軍キャンプに抜擢されている4年目の湯浅京己は、若手随一のスピードボーラーで大化けの可能性を秘める。昨季は4試合の登板に終わった高卒6年目の浜地真澄も、このオフは変化球の精度向上に取り組んでおり、変わり身が期待される一人だ。


昨季はルーキーが奮闘したショート


 野手で競争が激化しそうなのが、遊撃手争いだ。

 ルーキーイヤーの昨季いきなり135試合に出場した中野拓夢は下半身のコンディション不良を抱え、大事を取って二軍スタートに。一軍には“若虎トリオ”が抜擢された。


 平田勝男二軍監督も「かなり力をつけてきた」と目を細めるのが、高卒4年目の小幡竜平。高い守備力を買われて2年目の2020年には一軍で54試合に出場したが、昨季はポジション争いに敗れて43試合と出場数が減少。「やっぱり打てないと試合に出られない」と、このオフは打撃に時間を割いてバットを振り込んできた。

 その小幡のひとつ下の遠藤成と、さらにそのひとつ年下の髙寺望夢というフレッシュな顔ぶれが並ぶサバイバルレース。若い光に目が行きがちだが、中野が台頭する前はレギュラー最有力だった木浪聖也も忘れてはならない。経験と自力で格の違いを見せることができるだろうか。


両翼を固めるのは…?


 最後は、矢野監督が唯一のレギュラーとして認める「センター・近本」の両翼を巡る競争を見ていきたい。

 有力候補は昨季ルーキーながら24本塁打を放って話題を集めた佐藤輝明、来日2年目となるメル・ロハス・ジュニアの長距離砲2人。その一方で、40歳のベテラン・糸井嘉男も「狙っています」と鼻息が荒い。


 昨季の終盤戦では、島田海吏もスタメン出場の機会を増やして存在感を放った。プロ5年目の今季は自慢の走力をはじめ、総合力で勝負をかける。

 一方、小野寺暖や江越大賀に求められるのは、他を圧倒する打力。三塁が本職ながら昨秋は外野の特守を受けていた大山悠輔の“参戦”の可能性も含めて、目が離せない。


 もちろん、春の競争を制したものが秋に笑うとは限らない。

 鍛錬を積んだ冬の成果を追い風に、スタートダッシュを決めるのは誰か。


文=チャリコ遠藤(スポーツニッポン・タイガース担当)



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