コラム 2022.02.07. 14:44

通算442発の中村剛也を超えるハイペース? 現役NPB「本塁打率」ランキング

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球界トップクラスの本塁打率を誇る山川(左)、村上(中央)、中村(右)

昨季は若き大砲が快挙


 2021年シーズン、日本一に輝いたヤクルトを主砲として牽引したのが村上宗隆だ。昨季は、その村上が21歳7カ月という史上最年少での通算100本塁打を達成したことも大きな話題となった。

 ただ、本塁打のような積み上げ型の記録の場合、通算記録で見ると当然ながらプロでの実働期間が長い選手の数字が大きくなる。ここで、現役日本人選手の通算本塁打ランキングを見てみる。


【現役日本人選手NPB通算本塁打ランキング】
1位 442本 中村剛也(西武)
2位 301本 松田宣浩(ソフトバンク)
3位 285本 福留孝介(中日)
4位 264本 中田 翔(巨人)
5位 261本 坂本勇人(巨人)
6位 248本 山田哲人(ヤクルト)
7位 230本 浅村栄斗(楽天)
8位 224本 丸 佳浩(巨人)
9位 214本 柳田悠岐(ソフトバンク)
10位 208本 中島宏之(巨人)


 トップは西武一筋21年目の中村剛也。442本という記録は2位・松田宣浩(ソフトバンク)に141本もの大差をつけるダントツで、歴代通算本塁打ランキングでも長嶋茂雄(元巨人)の444本に次ぐ15位につけている。現在の野球ファンは、歴代級のホームランアーチストをリアルタイムで目のあたりにしているというわけだ。

 その中村は現在38歳。そして、ただひとりの例外である29歳の山田哲人(ヤクルト)を除いて、ランクインしている選手のいずれもが30歳以上であり、村上をはじめとしたまだキャリアの浅い選手は上記のランキングに顔を出すことができていない。

 ただ、村上の場合は史上最年少で通算100本塁打を達成しており、驚異的なハイペースで本塁打を量産中。そこで、通算本塁打数ではなく、「1本塁打あたりに必要な打数」で表す「本塁打率」によって、若い選手も含めた「本塁打力」というものを見てみたい。


現役最多の中村を2選手が上回る


【現役日本人選手NPB通算「本塁打率」ランキング】

1位 12.19 山川穂高(西武)
[2157打数/177本塁打]

2位 13.91 村上宗隆(ヤクルト)
[1447打数/104本塁打]

3位 14.52 中村剛也(西武)
[6417打数/442本塁打]

4位 15.74 岡本和真(巨人)
[2125打数/135本塁打]

5位 16.35 鈴木誠也(広島)
[2976打数/182本塁打]

6位 16.78 杉本裕太郎(オリックス)
[688打数/41本塁打]

7位 17.84 山田哲人(ヤクルト)
[4425打数/248本塁打]

8位 18.44 柳田悠岐(ソフトバンク)
[3946打数/214本塁打]

9位 20.46 吉田正尚(オリックス)
[2291打数/112本塁打]

10位 20.81 中田 翔(巨人)
[5494打数/264本塁打]

※通算40本塁打以上が対象


 村上をはじめ、先の通算本塁打ランキングではランク外だった選手6人がトップ10入りを果たした。

 その村上をも抑えてトップとなったのは山川穂高(西武)。ここ2シーズンはケガの影響などから打撃不振に苦しんできたが、それでも2年連続で24本塁打を記録しており、「本塁打を放つペース」は相変わらずだ。


 そして、山川が尊敬する中村もやはりトップ3に名を連ねる。山川と村上には上位を譲ったものの、年齢を重ねるとともに本塁打数が減っているなかで、いまだこの数字をキープしているのはさすがとしか言いようがない。


 面白いのが、6位にランクインした杉本裕太郎(オリックス)。一昨年までは一軍定着もままならなかったが、昨季リーグ最多32本塁打を放ち大ブレイク。通算688打数はランクインした選手の中で桁違いに少なかった。

 ただ、プロ2年目の2017年から2019年までの3シーズンで放った13安打のうち半数以上の7安打が本塁打と、「打てば本塁打」という強打者の片鱗を早くから見せていた。

 「ブレイクがもう少し早ければ……」という気持ちを抱かないわけではないが、他球団の研究が進むなかで遅咲きの本塁打王がブレイク翌年にどんな打撃を見せるのかというところは、今季の注目ポイントのひとつだろう。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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