対外試合では出場した全5試合で安打をマーク
ヤクルトの高卒2年目捕手・内山壮真が持ち前の打撃センスを発揮し、開幕一軍入りへ猛アピールを見せている。
キャンプ地での最後の実戦となった2月27日の阪神戦、「5番・指名打者」で先発出場すると、4回の第2打席に一時同点とする適時二塁打を放った。
相手投手・馬場皐輔が投じた直球は、捕手の構えよりやや甘いコースに入ってきた失投ではあったが、それを逃さず力強く振り抜いてとらえると、打球は左翼手の頭を越えるフェンス直撃二塁打となった。
内山壮は、オープン戦に入る前からバットでアピールし続けており、春季キャンプ中の練習試合も含めて、ここまでの対外試合では出場した5試合すべてで安打をマーク。
わずか5試合の数字ではあるが、ここまで15打数7安打の打率.467。途中出場でも数少ない打席数できっちり結果を残して首脳陣へアピールを続けている。
▼ 内山壮真の対外試合成績
・2月17日 楽天戦
2打数1安打(見三振、中二)
・2月20日 ロッテ戦
5打数3安打1打点(右飛、左安、左二、右二、中飛)
・2月22日 楽天戦
2打数1安打(中二、三ゴ)
・2月26日 楽天戦
1打数1安打(四球、左安)
・2月27日 阪神戦
5打数1安打1打点(見三振、左二、空三振、二ゴ、中飛)
広角に二塁打を連発し、強肩も披露
さらに、ここまで本塁打こそないものの二塁打を連発しており、昨季のファームでチーム2位の8本塁打を放ったパンチ力を存分に発揮。引っ張りだけではなく右方向にも中堅方向にも長打を放っており、打撃の柔らかさも感じさせる。
また、27日の阪神戦では、7回途中からマスクをかぶると、直後に二盗を試みた俊足・島田海吏を刺して強肩も披露。昨季の島田は8盗塁をマークして盗塁死はわずかに1。盗塁成功率が9割に迫る韋駄天に仕事をさせなかった。
もちろん、ヤクルトには中村悠平という正捕手がおり、その将来的な後継者となると現時点では古賀優大だろう。ポジション柄、育成に時間がかかる捕手であり高卒2年目の内山壮の場合は、まだまだ二軍で鍛えるべき時期かもしれない。ただ、中村らの調子次第では、今季中にも一軍で活躍する姿を見られる可能性もある。
「打てる捕手」はどこのチームも欲しがることはいうまでもない。それこそ「打てる捕手」の代表格であり内山壮自身の憧れの存在でもある古田敦也氏(元ヤクルト)から春季キャンプ中には攻守ともに指導を受けた。その効果がどんなかたちで表れるのか。基本的に打のチームであるヤクルトから、また楽しみな若手野手が生まれそうだ。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)