今季は押しも押されもせぬ主砲としてスタート
昨季プロ入り6年目にして大ブレイクを果たし、パ・リーグの本塁打王に輝いた“ラオウ”こと杉本裕太郎。
キャリアハイを大きく更新する134試合に出場して打率.301、本塁打は32本。充実のレギュラー元年を経て、今年は主力として迎える2年目の戦いということになる。
1年で立場が大きく変わり、相手からの警戒度も大きく変わっているこの春だが、オープン戦は4試合連続で安打を放つなど好発進。
連続安打が止まってからもコンスタントに結果を残し、打率3割をキープして打点も8つ記録している。
一方で気になることろと言えば、まだ本塁打が生まれていないということ。昨季いきなりシーズン30発の壁を打ち破った男だが、2年連続のタイトル獲得となると、その道のりは険しい。
本塁打数を伸ばしたのは2/13…?
現在NPBでプレーしている現役の日本人選手で、シーズン30本塁打以上を記録したことがあるのは杉本を含めて14人。
そのうち、杉本を除く13人を振り返ってみると、初めての30発到達の翌年に本塁打数を伸ばすことができたのは2人しかいないのだ。
13人の名前を挙げてみると、福留孝介(中日)・中村剛也(西武)・坂本勇人(巨人)・T-岡田(オリックス)・柳田悠岐(ソフトバンク)・松田宣浩(ソフトバンク)・山田哲人(ヤクルト)・中田翔(日本ハム/現巨人)・山川穂高(西武)・岡本和真(巨人)・浅村栄斗(西武/現楽天)・丸佳浩(広島/元巨人)・村上宗隆(ヤクルト)。言うまでもないが、球界を代表する錚々たるメンバーが顔を揃える。
だが、このなかで30本塁打初到達の翌年のシーズンも本塁打数をさらに伸ばすことができたのは、中村と浅村のたったふたりだけ。2年連続で30本塁打に到達したのも、山田・山川・岡本の3人が加わるだけで、合計5人しかいない。半分以上の選手は本塁打数を減らし、なおかつ30本塁打の大台にも届かなかったことになる。
本人のコンディションをはじめ理由は様々だが、「長距離砲の証明」にもなる30本塁打を記録したことで、相手バッテリーのマークが厳しくなったことは容易に想像できる。
杉本は昨季、本塁打王のタイトルを獲得しただけではなく、チームもリーグ優勝を遂げた。今季の杉本は優勝チーム・オリックスの主軸ゆえ、かなり厳しい攻め方をされるのではないか。
加えて、両足首の手術で出遅れている吉田正尚の状況次第では、相手球団のマークが杉本だけに集中する可能性も否定できない。
だが、その壁を打ち破らなければ、本塁打の上積みはできない。
杉本にとっては、真価が問われる2022シーズン──。
オリックスがパ・リーグ連覇を達成するためにも、より一層怖さを増した打棒を見せてほしい。
現役の日本人選手でシーズン30発以上の経験者
・福留孝介
2003年:34本
2004年:23本
・中村剛也
2008年:46本
2009年:48本
・坂本勇人
2010年:31本
2011年:16本
・T-岡田(オリックス)
2010年:33本
2011年:16本
・柳田悠岐
2015年:34本
2016年:18本
・松田宣浩
2015年:35本
2016年:27本
・山田哲人
2015年:38本
2016年:38本
・中田翔
2015年:30本
2016年:25本
・山川穂高
2018年:47本
2019年:43本
・岡本和真
2018年:33本
2019年:31本
・浅村栄斗
2018年:32本
2019年:33本
・丸佳浩
2018年:39本
2019年:27本
・村上宗隆
2019年:36本
2020年:28本
・杉本裕太郎
2021年:32本
2022年:???