NPBワースト記録は「12連敗」
3月25日から「●●●●●●●●●」。
阪神は3日の巨人戦も5-9で落とし、開幕からの連敗はついに「9」に伸びた。
これで、開幕からの連敗としてはセ・リーグのワースト記録を更新。9試合のうち5試合が2点差以内と僅差の試合も少なくないが、ヤクルトとの開幕戦で最大7点差をひっくり返されたショックがやはり尾を引いている。
5日からはDeNAをホーム・甲子園に迎えての3連戦。本拠地に戻り、反撃はなるか。それとも連敗地獄は続くのか……。
もしDeNAに3タテを食らうようなことがあれば、開幕12連敗となり、NPBの歴代ワーストに並ぶことになる。
不名誉なNPBワースト記録を保持しているのは、1955年のトンボと1979年の西武の2チームだ。
前者は1954~1956年の3年間だけ活動していた、パ・リーグ8球団目のいわゆる“寄せ集め”球団。後者はクラウンライターから西武に生まれ変わり、福岡から所沢に移転した1年目のシーズンだった。どちらも“言い訳”ができる陣容だったといえるだろう。
開幕から「25日後」の初勝利
メジャーに目を向けてみると、上には上(下には下?)がいる。開幕からの連敗記録を保持しているのが、1988年のボルティモア・オリオールズだ。
4月4日、ミルウォーキー・ブリュワーズとの開幕戦を0-12というワンサイドゲームで落とすと、その後も投打がまったくかみ合わず。6連敗を喫した直後には、早くもカル・リプケン・シニア監督が解任される事態に発展した。
さらに新指揮官フランク・ロビンソン監督の下でもチームは活性化せず、シーズン初勝利は開幕から25日後の4月29日。連敗記録は「21」に達していた。
最終的には54勝107敗でそのシーズン終えたオリオールズ。当時7チームあったア・リーグ東地区の最下位に沈んだのは言うまでもない。
首位から5位は3.5ゲーム差、6位までも11ゲーム差という大混戦のなか、オリオールズは首位から34.5ゲーム差という“一人負け”状態だった。
ただし、その年のオリオールズはチーム史上最悪のシーズンを送ったわけではなかった。
ボルティモアに移転した1954年以降の勝率を順番に並べると、下から4番目。なんとワースト1~3位を占めているのは直近4年間である。
▼ オリオールズのシーズン勝率ワーストランキング
1位:2018年=勝率.290(47勝115敗)
2位:2021年=勝率.321(52勝110敗)
3位:2019年=勝率.333(54勝108勝)
4位:1988年=勝率.335(54勝107敗)
5位:1954年=勝率.351(54勝100敗)
<※ボルティモアに移転した1954年以降>
さすがに阪神の連敗はそろそろ終わりを迎えると思いたいが、いまだ真っ暗なトンネルの中にいることに間違いはない。
オセロのように形勢逆転を図るためにも、まずは一つ目の「○」が欲しい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)