パイレーツ・筒香嘉智

◆ 今季は左方向への打球が目立つ?

 現地時間21日、海の向こう・メジャーリーグで今季3度目となる「元侍ジャパンの4番対決」が実現した。

 カブスが本拠地リグリー・フィールドにパイレーツを迎えた一戦は、4-3でパイレーツが逆転勝利。これで両チームとも今季の成績を6勝7敗とし、ナ・リーグ中地区の3位で並んでいる。

 開幕から打撃好調の“ルーキー”・鈴木誠也のバットから快音は聞かれず、一時は4割を超えていた打率も.343に下がった。一方の筒香嘉智は5打数1安打。2つの併殺打はあったものの、5回の二死満塁のチャンスに逆転の2点適時二塁打を放ち、チームの勝利に貢献している。

 今季12試合目の出場でようやく飛び出した今季“初長打”。チームを勝利へ導く値千金の一打となったが、筒香の状態は決して良いとは言えないのが現状だ。

 今季は開幕から4番を任される中、開幕直後の2試合で計4安打をマークするスタートダッシュ。しかし、その後は10試合で4安打と当たりが止まり、今季通算の打率は.195と苦しい戦いを強いられている。

 特に気になるのが“打球方向”だ。

 21日のカブス戦で飛び出した二塁打もそうだったが、全体的に左方向への打球が多くなっている。球場を左・中・右の3方向に分割して筒香の打球方向を見てみると、今季放った安打は8本中6本が左方向。残り2本が中(センター)方向。右方向への安打は今季まだ1本も出ていないということになる。

 それぞれの方向に飛んだ打球割合を見ても、右方向、つまり引っ張った打球は過去2年と比べても少なくなっている。また、打球方向別の「長打率」を見てみると、昨季までは引っ張ったときの方が圧倒的に結果が伴っていた。

▼ 直近3年・筒香の打球方向割合
※左/中/右

2020年:28.7%/37.0%/34.3%
2021年:31.3%/33.1%/35.6%
2022年:37.9%/37.9%/24.1%

▼ 直近3年・筒香の打球方向別長打率
※左/中/右

2020年:.548/.500/.694
2021年:.429/.481/.737
2022年:.700/.200/.000

 もちろん、シーズンはまだ始まったばかり。母数(打席数)も少ないため、今後この数字は変化していく可能性が高いだろう。

 それでも、開幕からの筒香を見る限り、今季は今まで以上に消極的なスイングが目立っているようにも映る。

 もし筒香らしからぬ“流し打ち”の傾向が続くようなら、自慢の長打もなかなか出ることはないだろう。打率1割台という現状を打破するためにも、少なくとも追い込まれるまでは空振りを恐れず長打狙いの強振をしていってもいいのではないだろうか。

 自ら1年契約で臨んだ勝負のメジャー3年目。ファンは筒香らしい“一発”を待ち望んでいる。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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