コラム 2022.05.17. 07:08

試合前のオーダー発表でざわめきが…一躍“時の人”となった白井一行審判の印象的なジャッジ・3選

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対峙する白井球審とレアード (C) Kyodo News

日本シリーズで“守備妨害”決着


 4月24日、京セラドーム大阪で行われたオリックス-ロッテの一戦。先発した佐々木朗希の判定に対する“不服そうな態度”を見て、球審がマウンドに詰め寄るという一幕が大きな波紋を呼んだ。

 さらに5月15日、同じく京セラドーム大阪のオリックス-ロッテ戦。初回、見逃し三振の判定に猛抗議したブランドン・レアードが球審への暴言で退場処分に。同じ場所で行われた同じカードで起こった出来事の共通点といえば、いずれも球審が白井一行審判員だったというところにある。




 試合前のオーダー発表で名前がコールされるとスタンドからざわめきが起こるほど、今では一躍“時の人”に。これほどまでに注目を集める審判員はかなり珍しいが、実は過去にも日本一のかかった大舞台でのジャッジや、監督・選手との思わぬトラブルなど、ファンの記憶に残る出来事があった。

 まずはその日本シリーズでのシーンから。最終回の土壇場で同点と思いきや、守備妨害でゲームセット。日本一の行方が決するという珍事となったのが、2014年10月30日の日本シリーズ第5戦:ソフトバンク-阪神だ。

 1勝3敗と崖っぷちの阪神は、この日も8回まで0-1と劣勢。それでも9回、ソフトバンクの守護神デニス・サファテの乱調に乗じて、3つの四球で一死満塁と最後の粘りを見せる。



 ここで打席の西岡剛は、一塁への強いゴロ。打球を処理した明石健志が本塁にボールを送って二死。さらに捕手・細川亨が3-2-3の併殺を狙って一塁に送球したが、ボールは西岡の背中に当たってファウルゾーンへ……。この間に二塁から田上健一が同点のホームを踏んだ。

 土壇場で1-1と追いつき、なおも一打勝ち越しのチャンスと思った阪神ファンは一気にボルテージを上げたが、その直後、悪夢のような“どんでん返し”が起きる。西岡がラインの内側を走っていたとして、白井球審が守備妨害でアウトを宣告したのだ。


 「左打者なので、ふつうは(ラインの)中は走らない。完全に両足が(ラインの内側に)入っていて、明らかに守備を妨害しようとする意図があった」というのが理由。

 得点は認められず、併殺でゲームセット。この結果、ソフトバンクは前代未聞の守備妨害による日本一決定となった。


 その後、西岡は自身のfacebookで「ライン上スレスレを走って体に当たれと思いながら走ってました! 僕は送球が当たるときに足が外側にあればいいと思って走ったので、僕なりにルール上ギリギリのプレーはしたつもりでした!」と説明したが、白井球審が「どちらか(片方)の足でも取ります」と明言した以上、どうにもならない。

 幕切れは“どっちらけ”だったものの、西岡の守備妨害が故意に近いものであったことも含めて、大舞台で冷静なジャッジを下した白井球審が当時ファンの間で株を上げたのも事実だった。


野村監督から“退場覚悟”の猛抗議


 お次は、判定トラブルで楽天時代の野村克也監督から“退場覚悟”の猛抗議を受けた事件。2009年4月9日の楽天-ソフトバンク戦を紹介したい。

 2-1の8回、楽天は一死一・三塁と追加点のチャンスも、中村紀洋がカウント1ボール・2ストライクから攝津正の外角低めをファウルチップ。これを捕手・髙谷裕亮が直接捕球したとして、白井球審が空振り三振を取ったことがトラブルを誘発する。


 直後、「ワンバウンドしている。ファウルや!」と野村監督が鬼の形相でベンチを飛び出してきた。

 怒り心頭の野村監督は「お前らの誤審で、オレがクビになるんだぞ!オレの人生は、お前らにかかっているんだ!」とまくし立て、5分近くにわたって抗議を続ける。

 スタンドからも地元・仙台のファンが“ノムラコール”で後押し。だが、判定は覆らなかった。


 二死一・三塁で再開後、次打者・山崎武司も三振に倒れてチャンスは潰えたが、楽天は最終回のピンチを継投で何とかしのぎ、2-1で逃げ切った。

 ウイニングボールを手にした野村監督は「久しぶりに興奮した。血圧が200を突破したわ。(白井球審と)目が合ったとき、『退場!』と言われると思った」と、あわや退場のピンチだったことを明かしている。


聞き取れたのは“ヘタクソ”という言葉


 NPB史上最多の退場回数といえば、タフィ・ローズの14回。歴代トップの通算14回目の退場を告げたのは、奇しくも白井審判だった。

 オリックス時代の2009年8月27日の日本ハム戦。初回二死二塁の先制機に三振に倒れたローズは、3回一死満塁でも2打席連続三振。さらに1点を追う8回一死の4打席目も白井球審に見逃し三振を取られ、4打数無安打・3三振とまったくいいところがなかった。

 だが、住友平ヘッドコーチが「ストライクゾーンが広過ぎる。誰も完全なボール球には手を出さない。特に2ストライク後は、もっとしっかり取ってもらわんと」と不満をもらしたように、ゾーンをめぐる見解の相違も顕著だったようだ。


 ローズはそのままベンチに引き揚げたが、9回の日本ハムの攻撃が始まる直前、なぜか白井球審がベンチ前までやって来たので、ここぞとばかりに野次を飛ばした。すると、白井球審は「聞き取れたのは、“ヘタクソ”という言葉だった」として、ローズに退場を宣告した。

 「わざわざ向こうから近くに来て、逆挑発じゃないか。言わしてやろうとも見えた」と大石大二郎監督も不審を抱いた行動について、白井球審は「(一塁ベンチ横の通路に)ボールと水を貰いに行っただけ。選手交代(のアナウンス)もあった」と説明した。

 これに対し、オリックス・中村勝広球団本部長は「お互い感情的になり過ぎではないかと言った。審判は否定していたけど、うまくさばいてほしい。ローズは細かいコースを見極められる打者。初回から目に余る場面もあった」と指摘した。


 今回の佐々木との一件でも「感情的」の指摘があったが、「あの審判だ」とファンが注目するなかでジャッジを続ける環境は、ある意味“良薬”となるかもしれない。


文=久保田龍雄(くぼた・たつお)

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