ホーム6連戦を5勝1敗で交流戦首位キープ
日本一連覇に向けてセ・リーグ首位を走るヤクルトが、交流戦も好調を維持している。
12試合を終えて9勝3敗は12球団単独トップ。交流戦優勝でV2に弾みをつけることができるか、残り6戦の戦いにも注目が集まる。
5日の西武戦でも、「8番・遊撃」で先発出場した高卒3年目の長岡秀樹が先制点をもたらす犠飛を放てば、同点の6回には勝ち越しの適時打をマーク。ハタチの躍動で連勝を4に伸ばした。
実はこの週末の3連勝が、今季初めての「神宮での同一カード3連勝」。好調な戦いぶりとは裏腹に、ここまでのホームでの成績は14勝13敗と、ようやく勝ち越しに持ち込んだという格好だ。
ビジターでは20勝6敗1分という好成績を残している一方、意外にも本拠地・神宮では苦戦が目立っている。
ホームでの同一カード勝ち越しを探ってみると、4月29日~5月1日に予定された3連戦のうち2試合が中止となり、その中で1勝を挙げたDeNA戦を例外として除くと、5月17日~19日の対阪神3連戦で2勝1敗としたのが初の勝ち越しだった。
開幕から2カ月弱かかってのホーム勝ち越しだったが、それ以降は神宮で4カード連続の勝ち越し中。ひとつの勝ち越しをキッカケに、本拠地での戦いぶりも安定感が増してきた。
“苦手”克服でさらなる浮上を
苦戦を強いられた要因としては、強力打線の不振が考えられる。
バンテリンドームでは.293、マツダスタジアムでは.292と3割近い打率を誇る一方、神宮では.220と数字を落としている。この3連戦も初日は1-0の勝利で、しかもその1点も投手・小川泰弘の本塁打による1点。投手陣の奮闘が目立った。
ペナントレースを制するうえで、苦手チームを作ることはもちろんだが、「本拠地が苦手」なんてことは避けたいもの。かつて広島がリーグ3連覇を果たした時には、本拠地・マツダスタジアムにおける勝率が2016年は.710(49勝20敗1分)、2017年は.706(48勝20敗1分)、2018年は.647(44勝24敗2分)とホームで無類の強さを誇っていた。
ヤクルトも昨季は神宮で32勝25敗5分と7つの勝ち越し。今年も徐々に調子を取り戻し、この週末でヤクルトが負け越しているセ6球団の本拠地球場はなくなった。リーグ連覇に向けて、視界が開けてきたというところだろう。
“苦手”克服のツバメ軍団が進撃を進めていくのか、6月戦線から目が離せない。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)