交流戦の最終戦で2桁本塁打に到達
セ・パ交流戦はヤクルトが全カードで勝ち越す完全優勝。18試合制では最多となる14勝を挙げ、昨シーズン日本一の貫禄を見せた。
MVPに輝いた4番・村上宗隆の活躍はもちろんだが、長岡秀樹や内山壮真といった若手野手、盤石な中継ぎ陣、そして安定して試合をつくった先発投手陣と、攻守のバランスが取れていた印象だ。
そのなかで忘れてはいけないのが、上位打線を任されている塩見泰隆の存在である。交流戦では、打率.307(75-23)、5本塁打(交流戦5位タイ)、6盗塁(同2位タイ)とチームの優勝に大きく貢献した。
交流戦のラストゲームとなった6月12日のソフトバンク戦(PayPayドーム)では、貴重な追加点を叩き出す2ランホームランを放ち、今季の本塁打数を2桁10本に乗せた。
今季62試合を終えた時点で、塩見はリーグトップの15盗塁を記録しており、12球団最速で2桁本塁打2桁盗塁に到達。このペースなら「20-20」達成も十分に可能とみていいだろう。
過去2年は「20-20」達成者ゼロ
トリプルスリー(打率3割・30本塁打・30盗塁)を3度達成している山田哲人がいることもあり、特にヤクルトファンにとっては「20-20」が比較的容易に達成できるように感じられることもあるかもしれないが、決して低いハードルではない。
120試合制の短縮開催だった2020年も含め、過去2シーズンは「20-20」を達成した選手がひとりもおらず、2019年に山田(35本塁打、33盗塁)、鈴木誠也(広島/28本塁打、25盗塁)、外崎修汰(西武/26本塁打、22盗塁)の3人が達成したのが最後。
2019年から2021年の3年間で、30本塁打到達者が延べ22人、30盗塁到達者は延べ10人という数字からも、「20-20」がパワーとスピードを兼ね備えた才能ある選手だけに許される特別な記録であることがわかる。
そして、それらの能力を結果に結びつける選手のチームへの貢献度は「得点」として現れる。現に塩見はチームトップの37得点をマークしており、この数字はセ・リーグでも丸佳浩(巨人/38得点)に次いで2位の好成績。チーム内で塩見以上に本塁打を放っている村上(35得点/19本塁打)や山田(34得点/13本塁打)よりも得点が多いことになる。
塩見は「トリプルスリー」目標に掲げており、「20-20」はその通過点。その達成が早ければ早いほど、ヤクルトの勢いは加速していくはずだ。
▼ 塩見泰隆の今季成績
出 場:60試合
打 率:.279(229-64)
本塁打:10本
盗 塁:15個
得 点:37点
打 点:27点
OPS:.846(.362/.485)
※成績は交流戦終了後の6月16日時点