メジャー最多セーブ右腕を補強し中継ぎ陣に厚み
ロッテが直近10試合で9勝1敗と調子を一気に上げてきた。6月4日の時点で「9」あった借金も「1」に減り、順位も5位から3位タイにまで浮上。2位の楽天までは4.5ゲーム差あるものの、あと一歩で上位争いというところまで這い上がってきた。
そんな勢いに乗るロッテが、今年もシーズン途中の補強に着手した。6月9日にメジャー通算155セーブの実績を誇るロベルト・オスナ投手の獲得を発表。メキシコ出身27歳の右腕は、アストロズ時代の2019年に38セーブを挙げて最多セーブのタイトルを獲得した。
6月10日に来日し、すでに二軍戦で3試合に登板。6月12日の初登板こそ2点を失ったが、以降の2試合は無失点投球と結果を出している。一軍昇格も秒読み段階に入った。
ロッテは20日時点で、先発防御率がリーグトップの「2.48」を誇るが、リリーフ防御率「3.53」はリーグ5位。実績あるオスナをブルペンに迎えることで、やや不安のあるリリーフ投手陣に厚みを加えたいということだろう。
ただ、シーズン途中の日本球界移籍ということもあり、十分な適応・調整期間がとれないという不安要素もある。今回は、過去にシーズン途中にロッテへ入団した外国人選手のなかで、目立った成績を残した選手がどれほどいたのか、振り返ってみたい。
過去2シーズンは途中加入組が活躍
シーズン最終盤までリーグ優勝を争った昨季は、6月に先発左腕のエンニー・ロメロを迎え入れた。2019年に中日で8勝を挙げていたロメロは、2020年を左肩痛で全休し同年限りで中日を退団。米マイナー、メキシカンリーグを経て、20年7月に実質1年半ぶりの日本球界復帰を果たした。ロッテ1年目の昨季は一軍登板4試合止まりだったものの、1勝0敗、防御率1.54と終盤戦で先発ローテーションの一角を担った。今季は先発ローテの柱として活躍しており、補強の成功例といえる。
2020年にも元中日の先発左腕、チェン・ウェインを獲得。メジャーリーグで3度2ケタ勝利を上げたチェンは、20年シーズン終盤の9月に入団し、9年ぶりに日本球界に復帰。4試合の登板で0勝3敗と勝ち星こそなかったが、防御率2.42と安定した投球を見せ、同年秋のクライマックス・シリーズでも先発を任された。
野手では、日本球界未経験だったレオネス・マーティンが2019年7月に加入。日本球界1年目は52試合の出場で打率.232(194-45)、14本塁打を記録した。規定打席にはもちろん到達しなかったが、レアード(OPS.815)や鈴木大地(OPS.826)を上回るOPS.837の好成績をマークしていた。
2017年までさかのぼると、ソフトバンク、オリックス、楽天とNPB3球団を渡り歩いた“日本球界経験者”の大砲、ウィリー・モー・ペーニャが6月に加入。70試合でチーム最多の15本塁打、OPS.845と役割を果たした。
また、現在ソフトバンクでプレーしているアルフレド・デスパイネも、シーズン途中の2014年7月に加入した選手。ロッテ1年目は45試合の出場で、打率.311(161-50)、12本塁打、OPS1.001と結果を残したことで、NPBでのキャリアをスタートさせている。
このように、近年のロッテは投手、野手ともに途中加入の外国人選手が結果を出している事例が多いようだ。
体が重くなる梅雨を迎え、それを過ぎれば夏本番。疲労も蓄積され中継ぎ陣がバテはじめる時期に入ってくる。そんなタイミングで途中加入のオスナが“勝ちパターン”の一角を担うことができれば、リリーフ投手力で他球団と差をつけることができるはずだ。
途中加入の外国人選手が活躍するロッテの「ポジティブジンクス」に、オスナもハマっていくことができるか。注目していきたい。
【ロッテの主なリリーフ投手陣】
▼ 益田直也
27試 防2.67 0勝1敗16セーブ
▼ 東條大樹
32試 防1.76 2勝2敗18ホールド
▼ タイロン・ゲレーロ
27試 防3.51 1勝2敗15ホールド3セーブ
▼ 小野 郁
26試 防1.90 0勝0敗12ホールド
▼ 西野勇士
21試 防2.14 1勝2敗10ホールド
▼ 小沼健太
15試 防2.41 1勝1敗1ホールド
※成績は6月20日終了時点