コラム 2022.06.21. 16:30

独走ヤンキースが「50勝」一番乗り!イチロー所属2001年マリナーズ超えも視野

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快進撃が続くヤンキース

両リーグ唯一の勝率7割超え


 名門・ヤンキースの進撃が止まらない。

 現地時間20日は、敵地・フロリダ州タンパで行われたレイズとの一戦に4-2で勝利。これで両リーグ50勝一番乗りとなった。




 ヤンキースは先発のゲリット・コールが8回裏の先頭打者に安打を許すまでノーヒットの好投。

 降板後に救援陣が打たれ、いったんは追いつかれたが、9回表にヤンキースが再び勝ち越しに成功。最後は4-2でレイズを振り切った。

 前日は菊池雄星が先発したブルージェイズ相手に逆転負けを喫し、連勝が「9」で止まっていたヤンキース。この日は無安打ピッチから一転、追いつかれる嫌な流れとなったが、最後は執念で連敗を回避した。



 この勝利で今季の成績を50勝17敗としたヤンキース。勝率(.746)は両リーグで唯一の7割超えで、この勝率を維持していけば、シーズン終了時には120勝(42敗)に到達する計算だ。

 ただし、ヤンキースが所属するア・リーグ東地区には強豪が揃っている。2位のブルージェイズから4位のレイズまでが5つ以上の貯金をつくっており、最下位・オリオールズも30勝38敗と健闘している。

 シーズン後半に向けて地区ライバルの4球団が包囲網を敷いてくれば、前半戦のようなペースで勝利を重ねるのは容易ではないだろう。


13年ぶりの悲願達成へ…


 ちなみに、歴代のシーズン最多勝利は1906年のカブスと、2001年のマリナーズが記録した116勝。

 前者は当時152試合制だったため、116勝36敗と「80」もの貯金に成功。勝率は.763だった。


 ヤンキースが106年前のカブスの勝率を超えるには、124勝(38敗)する必要がある。

 残り95試合で74勝(21敗)するというのは、かなり高いハードルだろう。

 一方で、今と同じ162試合制だった01年のマリナーズは116勝46敗。勝率は.716で、21年前のマリナーズ超えの方が現実的か。

 ご存じのように、その年のマリナーズはイチローの渡米1年目。中軸にブレット・ブーンやジョン・オルルドといった強打者を据え、先発投手陣も4人が15勝以上をマークするなど、総合力の高さは群を抜いていた。


 そんな21年前のマリナーズだが、総合力の高さをもってしてもプレーオフを勝ち抜くことはできなかった。

 ア・リーグ優勝決定シリーズでヤンキース相手に1勝4敗で完敗。その後の20年間は一度もプレーオフに進出できていない。

 対照的にヤンキースはその20年間でほぼ毎年のようにプレーオフに進出しているが、世界一に輝いたのは09年の1度だけ。

 13年ぶりの悲願達成へ、今はひたすら勝利を重ねていくだけだ。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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