スーパースター3選手をピックアップ
日本時間20日朝、ロサンゼルスのドジャースタジアムでは92回目となるメジャーリーグのオールスター戦が行われる。
全米屈指の人気を誇るマイク・トラウト(エンゼルス)が欠場という寂しいトピックもあるなか、日本のファンにとって最大の注目はやはり大谷翔平(エンゼルス)になるだろう。
今年は投手としてマウンドに登ることはないようだが、ア・リーグの1番指名打者で先発予定。おそらく3回は打席に立つことになりそうだ。本人も本塁打を狙う趣旨のコメントをしており、日本人選手として2007年のイチロー以来となるMVPを狙ってほしいところ。
大谷の活躍を願う気持ちは当然だが、今回はそれ以外のスーパースター3選手を独断で取り上げたい。
アーロン・ジャッジ(ヤンキース)
1人目は、大谷の直後、ア・リーグの2番を務めるアーロン・ジャッジ(ヤンキース)だ。メジャー屈指の怪力男で、今季前半戦は両リーグ断トツの33本塁打を放った。これはシーズン58本塁打ペースで、17年に記録した自己ベストの52本塁打を上回る勢いで、2位のヨルダン・アルバレスには7本差をつけている。ケガがなければ5年ぶり2度目の本塁打王は濃厚か。
オールスターはこれまで3試合に出場し、7打数1安打(打率.143)。18年に記録した唯一の安打は、マックス・シャーザー(当時ナショナルズ)から放った貴重な先制ソロだった。
大谷との1、2番コンビでアベック本塁打は生まれるか。対戦するナ・リーグ投手陣にとってはまさに息が抜けない投球を強いられそうだ。
ジョク・ピダーソン(ジャイアンツ)
注目選手2人目はナ・リーグ打線の8番レフトで先発を予定しているジョク・ピダーソン(ジャイアンツ)。14-20年の7シーズンにわたってドジャースで外野の一角を担った左打ちの選手だ。
ドジャース時代の19年には、主にリードオフマンとして36本塁打を放つ活躍を見せたピダーソン。コロナ禍のため60試合制で行われた20年は、レギュラーシーズンで打率1割台に低迷したが、プレーオフで息を吹き返し、ワールドシリーズでは打率4割をマーク。ドジャースの32年ぶり世界一に大きく貢献した。
そのオフにFAとなったピダーソンは、カブスに移籍。さらにシーズン途中のトレードでブレーブスに移籍すると、ここでもプレーオフで大活躍し、2年連続で世界一の美酒を味わった。
今季は出身地からほど近いサンフランシスコに本拠地を構えるジャイアンツでプレー。開幕から中軸を任され、昨年の18本塁打に迫る17本塁打をすでに放っている。
7年前に出場した自身唯一のオールスター戦では2打数2三振に終わったが、そのリベンジを果たせるか。メジャーリーガーとしての原点となったドジャースタジアムでピダーソンが受けるのはスタンディングオベーションか、それともブーイングか。
クレイトン・カーショー(ドジャース)
最後の注目選手は、プレーボール直後に大谷と対峙することになる地元ドジャースの左腕、クレイトン・カーショーだ。
今季は故障していた期間もあり、7勝(2敗)と勝利数こそ伸びていないが、防御率2.13はさすがの一言。特に7月に入ってからは、3試合に登板し、2勝0敗、防御率0.40と圧巻の投球をしている。
前半戦最後の登板となったエンゼルス戦では、7回までパーフェクト投球を見せ、大谷を3打数無安打2三振に封じた。球宴の舞台でリベンジを狙う大谷を返り討ちにできるか。
通算192勝を誇る“球界のエース”だけに、オールスター選出は9度目という常連。ただし、これまで6試合に登板し、0勝2敗、防御率4.50と成績はいたって平凡だ。前回登板した19年には田中将大(当時ヤンキース)が勝利投手になった陰で、カーショーは敗戦投手になっている。
おそらくカーショーにとって最初で最後になるであろう本拠地ドジャースタジアムでのオールスター。その雄姿をしっかり目に焼き付けておきたい。
年に一度のお祭り、オールスター戦は日本時間20日午前9時にプレーボール予定だ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)