コラム 2022.10.03. 07:08

阪神とオリックス、18年のキャリアに幕…能見篤史が残したモノ

無断転載禁止
オリックス・能見篤史が18年のキャリアに幕 (C) Kyodo News

「本当に僕は幸せでした」


 “美学”を貫く最後のマウンドだった。

 9月30日のマリーンズ戦。バファローズの能見篤史投手兼任コーチが引退試合に臨んだ。




 同点の8回。負ければリーグ優勝消滅の可能性もあった一戦で、7回を10奪三振で2失点と力投したエース・山本由伸からバトンを受けた背番号26。

 移籍後は封印していたワインドアップで腕を振ると、キャリア18年間でこだわり続けた球種である直球のみ、最後は4球目の145キロで安田尚憲を空振り三振に仕留めた。

 「中嶋監督と2年間、野球選手できてひとつも悔いはありません。やり切りました。2年間、いろいろ支えていただき、たくさんの声援をいただき、本当に僕は幸せでした」

 引退セレモニーのあいさつでは万感の思いを言葉に乗せ、キャリアに終止符を打った。


阪神時代の後輩が京セラへ


 そんな綺麗な引き際を見つめる男たち……。

 この夜、自軍の試合のなかったタイガースの後輩たちが京セラドームに駆けつけていた。

 藤浪晋太郎に岩貞祐太、梅野隆太郎、大山悠輔……。入団1年目からその背中を追いかけてきた者、“チーム能見”の一員として自主トレで汗を流してきた者。各々が自分なりの心持ちで大先輩に「ありがとう」を伝えに来ていた。


 12年目の島本浩也もその一人。自身のインスタグラムには「18年間お疲れ様でした!引退試合現地で見れて良かったです。偉大な先輩と一緒に野球が出来て幸せでした!」とつづった。

 島本には、能見との忘れられない時間がある。2019年のシーズン中、試合前練習で40歳のベテランにキャッチボール相手を申し出た。

 「その前の年に二軍で能見さんとキャッチボールをする機会があって。すごく勉強になったんです。能見さんはすごくバランスを意識して投げられていて。自分のことも“今日は調子良いな”とか“疲れてるな”とか言ってもらえるので気付けることも多かったんです」(島本)

 14歳も上の“レジェンド”だったが、勇気を振り絞って願い出ると快諾してくれた。


能見篤史が残したモノ


 当時、能見は驚きとともに、島本の行動を喜んでいるように見えた。

 「自分が若手の時、先輩にそんなん言えなかったよ。怖くてね……。今の時代は昔と違うのかなと」

 ジェネレーションギャップも感じつつ、後輩の意欲をしっかりと受け止めていた。


 そのシーズン、伸び悩んでいた中継ぎ左腕がキャリアハイの63試合登板と飛躍したのも、能見との“出会い”が無関係ではなかった。

 藤浪は「自分の中でエースはずっと能見さん」と大黒柱の気概を感じ取り、バッテリーを組んできた梅野は捕手としてのあり方を学んだ。

 能見篤史という男が残したモノは、これからも選手それぞれの胸に残り、グラウンドで体現されていく。


文=チャリコ遠藤(スポーツニッポン・タイガース担当)



【PR】オリックス・バファローズを観戦するなら「DAZN Baseball」

今季リーグ4連覇と日本一奪還を目指すオリックス。エースの山本由伸が抜けた穴を埋めるのは宮城大弥か山下舜平大か先発陣の活躍に注目!

「DAZN Baseball」とは、月額2,300円(税込)でDAZNのプロ野球コンテンツをすべて楽しめるプランです(月々払いの年間プランのみ)。

プロ野球だけを楽しみたい方は、月額4,200円(税込)のDAZN Standard​よりも1,900円お得に視聴できます。

POINT

ペナントシリーズ、交流戦、CSまで余さず堪能できる!

② オフシーズンもドキュメンタリーやバズリプレイなどコンテンツが充実!

毎月2,300円でライブ配信・見逃し配信・ハイライトまで視聴可能!

【PR】「DMM×DAZNホーダイ」でプロ野球を観よう!

「DMM×DAZNホーダイ」とは、DMMプレミアムとDAZN Standardをセットで利用できるプラン。

単体契約ならDMMプレミアム月額550円(税込)、DAZN Standard月額4,200円(税込)のところ、本プランなら月額3,480円(税込)だからとってもお得です。

POINT

① 「DMM×DAZNホーダイ」なら単体契約より月額1,270円(税込)も安い!

② DAZNだけの契約と比較しても月額720円(税込)お得に楽しめる!

③ 新規入会月から最大3カ月間、「DMMポイント」を550ポイント付与!

ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ALL
  • De
  • 西