コラム 2022.11.03. 19:21

オリックス・吉田正尚と西武・森友哉を結ぶ点と線【オフの震源地を探る】

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オリックス・吉田正尚 (C)Kyodo News

11月連載:オフの震源地を探る


 球界はオリックスの26年ぶり日本一をもって“冬の陣”に突入した。

 今年のオフは例年以上に熱いストーブリーグが予想されている。大物選手のFA宣言や、4球団の監督が交代したことで、新たな補強に動き出すからだ。さらに不振に終わった日本ハムではすでに2件のトレードを断行し、原巨人も大型補強に意欲を見せている。

 ドラフト、トレードに新外国人獲得などを経て、来年度の新たなチームの骨格が出来上がる。大揺れのシーズンオフに各チームはどんな戦略を描き、渦中の男たちはどう動いていくのか? ホットゾーンの裏側に迫ってみる。

第1回:オリックスが目論む吉田正のメジャー挑戦容認と森の獲得策


 日本一のオリックスが3日、念願の「御堂筋パレード」を行った。

 26年前の優勝パレードは神戸で開催されたが、大阪を本拠地としてからは初。セリーグを含めても2006年の阪神以来だから、浪速っ子の喜びもひとしおだろう。

 だが、お祭りムードのオリックスも、来季のチーム編成では、いきなり重大な局面を迎えている。最大の懸案事項は主砲・吉田正尚選手のポスティングによるメジャー流失問題だ。

 昨年、一昨年の首位打者にして、本塁打も打点も期待出来る球界の宝。今年の日本シリーズでも第5戦ではサヨナラ本塁打を含む2本のアーチをかけて、逆転優勝の流れを作った。

 そんな吉田正が、数年来の夢であるメジャー挑戦の意思を明らかにしたのはシリーズ終了直後の事である。水面下では20年のオフから、球団にその意思を伝えていたと言う。オリックスでは、大エースである山本由伸もメジャー行きの意思を明らかにしている。チームにとっては、投打の二枚看板を近い将来失えば、弱体化は避けられない。

 現在29歳、プロ7年目の吉田正がこのオフに夢を叶えるには、球団がメジャー行きを容認するポスティングシステムしか道はない。順調に行っても海外FA権を取得するには25年シーズンまで、待たなければならないからだ。

 普通なら、吉田正の退団を断固、拒否するかに思える球団側だが、福良淳一GMの反応は、そこまで厳しくない。

「本人の気持ちはわかるが、球団の事も話をしないと」と含みを持たせている。昨年はリーグ優勝に、今年は日本一。最大の功労者に花道を用意するならベストな時期と言える。ポスティングを行使した場合のメジャー球団の評価もある。いずれにせよ、近日中に会談を設けて最終確認を行う予定である。

 ポスティングシステムの申請手続きは12月15日まで。その後、米30球団に告示されて交渉が可能となる。吉田正自身も球団の編成上の都合も考慮して年内決着を目指す構えだ。

 主砲の流失危機と並行して、注目されているのが西武・森友哉選手の去就である。すでにFA権の行使を明らかにしている森に対して、最も積極的に動いているのがオリックス。すでに4年15億円の大型契約を用意しているとの報道まである。仮に吉田正が退団した場合に大きな穴を埋めるには、かつて首位打者を獲得した森はうってつけの人材であることは間違いない。

 大阪生まれで、少年時代はオリックスジュニアに在籍したこともある森の本職は捕手だが、西武では外野で起用されたこともある。若月健矢、伏見寅威、頓宮裕真と3捕手を抱えるチーム事情を考えれば、DHを中心とした起用法も考えられる。

 こうした一連の動きを見ていくと、吉田正のメジャー流失と森の獲得策はつながっているようにも見える。3年前からポスティングによるメジャー挑戦の話があり、一方で昨年には西武の編成担当者がオリックスに転籍している。森獲得へ、綿密な作戦が敷かれているとすれば点と線は結びつく。

 もし、吉田正が海を渡っても森を獲得できれば、傷口は最小限で防げる。残留した場合でも、森で戦力強化が出来れば、打線の破壊力は今年以上に増す。加えて、ライバル球団の弱体化にもつながる公算は大きい。

 今オフ、最大の「火薬庫」は吉田正と森の去就にある。


文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

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