コラム 2023.01.04. 07:08

新庄剛志を襲った“打席外死球”…?想定外のアクシデントに遭遇した選手たち

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今季から巨人に復帰する長野も… (C) Kyodo News

「オレの足に当たっていた」


 野球にアクシデントは付きもの。打席での死球は日常茶飯事であるし、それ以外にも思わず「オー、イテテ!」と悶絶するような想定外の出来事が目白押しだ。

 打席に立っていたわけでもないのに、まさかの“打席外死球”を受けたのが、阪神時代の新庄剛志だ。

 1999年9月23日の巨人戦。阪神は初回一死から田中秀太のファウルが、ネクストサークルにいた新庄の左足を直撃してしまう。

 新庄は「イテテ!」とその場にうずくまり、歩行すらままならない。急きょ吉田浩と交代すると、アイシングをして都内の病院へ急行した。

 「音がしたから、打ったんだなと思ったら、オレの足に当たっていた」と問題のシーンを振り返った新庄は「(非力な)秀太の打球だから、大丈夫ですよ」と心配する報道陣から笑いを取ることも忘れなかった。


 ちなみに、病院でレントゲン検査を受けた結果、幸い骨に異状はなく、左足関節部打撲と診断された。

 一方、田中は試合再開後に投前安打で出塁。新庄の代役・吉田浩も左安を放ったが、後続が凡退して無得点。試合開始早々の主砲の離脱が祟り、0-4の完封負けを喫してしまった。


ベンチで応援していたら頬骨を陥没骨折!?


 ネクストサークルならまだしも、よりによってベンチの中で打球を受けてしまったのが、巨人時代の高橋尚成だ。

 2006年4月5日のヤクルト戦。この日登板予定のなかった高橋は、チームを応援するためベンチ入りしていた。

 同年の巨人はチームの一体感の強さから、登板予定のない先発要員であってもベンチに座り、全員で応援するスタイルがお約束となっていた。しかし、このチーム愛が思わぬ不運を招いてしまう。


 3点をリードしたヤクルトの5回の攻撃中。青木宣親のファウルが三塁側巨人ベンチに飛び込み、最前列で応援していた高橋の右目下の頬を直撃したのだ。バックネット裏の記者席にも「グシャッ!」という音が聞こえるほどの衝撃だった。

 その場に倒れ込んだ高橋は、救護室で応急手当てを受けたあと、救急車で病院に搬送された。検査の結果、左頬骨の陥没骨折と診断され、戦列復帰まで最低2カ月かかることが判明した。

 前年に自己ワーストの12敗を喫し、雪辱に燃えるこの年はオープン戦から好調を維持。4月1日の開幕2戦目・横浜戦で先発を任されるなど、活躍が期待されていた。

 そんな矢先、試合に出ていないのに、こんな形で負傷離脱することになるとは、誰が予想しただろうか……。

 5月31日の日本ハム戦で戦列復帰をはたした高橋は、その後チーム事情から抑えに回って15セーブを記録。それでも、先発へのこだわりから、同年オフに原辰徳監督に先発復帰を直訴。翌年はキャリアハイの14勝をマークし、2年越しのリベンジを実現している。


 また、勝利寸前で2度にわたって痛い思いをしたのが、ヤクルトの守護神・高津臣吾だ。

 2000年4月9日の巨人戦。高津は5-2とリードした9回に満を持してマウンドに上がった。

 ところが、いきなり先頭打者・高橋由伸の打球が左足首を直撃するアクシデント。高津は痛みをこらえながらボールを一塁に投げ、まず一死を取った。

 だが、“打球禍”はこれで終わりではなかった。勝利まであと1人となった二死無走者で、代打・後藤孝志の打球が、今度は左脇腹を襲う。

 不幸中の幸い、高津に当たって跳ね返ったボールが、セカンド・土橋勝征の前に転がったため、そのまま一塁に送球され、ゲームセット。

 三者凡退ながら3つのアウト中2つまでが打球直撃というダブル災難の末、シーズン2セーブ目を挙げた高津。「高橋の当たりは、太ももまで痺れたけど、チームが連敗中だし、最後はビシッと締めたかった」と気合を強調したが、左くるぶしを打撲していたため、大事を取って病院に直行した。


グラブ→顔面→お手玉→リフティングで好捕


 打球直撃とはあまりご縁のなさそうな外野手も、実はけっこうご難に遭遇している。

 打球が顔面に当たるアクシデントにもめげず、ボールを落とさなかったのが、巨人時代の長野久義だ。

 2018年4月22日の阪神戦。1-0とリードした阪神は2回一死、梅野隆太郎がセンター後方に長打性の大飛球を打ち上げた。長野が背走しながら追い、フェンス手前で必死にグラブを伸ばして捕球態勢に入った。

 ところが、なんと、打球はグラブの土手に当たったあと、長野の顔面にゴツーン。思わず「イテテ!」と頭が真っ白になっても不思議のない場面だったが、長野は曲芸さながら、ボールをお手玉しながら、膝でリフティングしてナイスキャッチ。体を張ったパフォーマンスで、間一髪アウトに仕留めた。


 これには阪神・金本知憲監督も「まさか、あれを捕るとは……」と言わんばかりに、ベンチで唖然とした表情を見せた。

 一方、長野も落球していれば、長打となり、追加点を取られていたかもしれないだけに、捕球直後の苦笑いからも「良かった」という安堵感が伝わってきた。

 このプレーがきっかけで流れを引き寄せた巨人は、4回に岡本和真のタイムリーなど5長短打で4-1と逆転に成功。長野も7回に9点目となる左前タイムリーを放ち、攻守にわたって勝利に貢献した。


文=久保田龍雄(くぼた・たつお)

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